Running Writer

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“走る”フリーライター・三河の、ランニングブログです。日々のトレーニングやレースレポートなどを、ランニングを楽しむための情報を中心に発信中。仕事や家族などその他の情報は、別ブログ『いいでしょ?僕の人生』で綴っています。


9月も中旬を過ぎて、涼しく走りやすい気候になってきました。TwitterやFacebook、あるいはリアルな知り合いからも、「マラソンのレースシーズンだ!」と意気込む声がチラホラ聞こえてくる時期です。すると同時に、こんな声も挙がります。

「そろそろトレーニングの仕上げに入ろう!」
「レースが続くから、負荷を抑えていこう」
「どのレースで自己ベスト出せるかな!?」

私の経験上、今の時期にこうした声を挙げていると、いざとい時に“失敗レース”で終わってしまう可能性が高いと考えています。その理由、そして対策について考察してみました。

■トレーニングとレースの違い
日頃から、トレーニングで本番に近い距離を走っている人は多いでしょう。マラソン雑誌など見ていても、レースシーズン前に30km走などを推奨する記事が見かけられます。
確かにレース前、本番に近い距離を経験しておくことはメリットもあります。しかし、例えば普段からトレーニングで距離を踏んでいるからと言って、レースを甘く見てはいけません。トレーニングとレースには、大きな違いがあるのです。それは、『身体に掛かる負担とプレッシャー』です。
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記録を狙う、あるいは初めてマラソンにチャレンジする場合において、レースが自らに与える負荷とプレッシャーは計り知れないものがあります。それは、市民ランナーでもトップ選手でも変わりません。トップ選手でも、走り慣れたはずの距離の中、トラブルに見舞われてDNF...ということは実際に起きています。

「フルマラソンは、走れて年2〜3本」
「いくら練習で走れても、本番は違う」
「レース後、1カ月は休息を取る必要がある」

こうした声は、仕事を通じてよくトップ選手から聞く言葉です。恐らく彼・彼女らの意味する「レース」が「本気で走るもの」だからと言えます。つまり先に挙げた、「記録を狙う、あるいは初めてマラソンにチャレンジする」人々と同じ状態です。ここに、恐らくファンランは含まれていません。

レースでは、周囲に多くの選手がいます。知らず知らず、近くの選手と基礎って走ってしまうこともあるでしょう。あるいはタイムを気にしながら走ることで、精神的に自らを追い詰めてしまうかもしれません。仲間から応援される中で、「ダメだったらどうしよう」などと考えてしまう人もいるはずです。ここで掛かるのが、精神的なプレッシャーです。

そして、もちろんレースでは、自らの限界まで力を出し切ります。走り慣れないコースであれば、もしかしたらアップダウンが激しかったり、砂利道があったりするかもしれません。給水に失敗することで、脱水や熱中症などのリスクもあるでしょう。これこそ、レースだからこそ生じる身体的な負担です。

記録を狙うような本気のレースを連発すれば、自然とパフォーマンスは下がってきます。まして月に数本レースに出るような状態で、「どれも全力で!」など到底無理な話でしょう。

■サブ4の壁にぶつかったから見えたこと
私が走り始めたのは、2011年の7月でした。当時は今より20kgほど太っていて、とにかく毎日、少しずつでも走る毎日。その甲斐もあり、同年冬にはハーフマラソンとフルマラソンを走破。サブ4.5を達成し、なんとなく浮かれていたのかもしれません。

「このまま、サブ4達成するぞ!」

そう意気込みながら、やることは何も変わりませんでした。年が明け、既にレースシーズン真っ只中。毎日jogやLSDで距離を踏みつつ、レース本番を迎える。レース前こそトレーニングは抑えましたが、レースが終わればまた元通りです。いわゆる“距離信者”に片足を突っ込んでいたとも言えます。
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しかしレースを重ねる毎に、どんどん焦りを感じてきました。サブ4を目前にして、パタリと記録が伸びなくなったのです。それどころか、レース中に脚が動かなくなり、制限時間ギリギリにゴールするようなことさえありました。もう、完全なるスランプです。

ここで冷静になれたのが、自分のことながらナイスでした。頭の中で、自問自答しながら問題点を整理。次のようなことが見えてきました。
  • これまで、すべてレースは全力投球と思って走ってきた
  • レースがある度にトレーニング強度を弱めて調整していた
  • レースの積み重ねで身体にも痛みや疲労が蓄積されている
  • 距離ばかり見ていてスピードや筋持久力が底上げできていない
サブ4を達成したのは、2012年11月のこと。サブ4どころか、一気にサブ3.5目前の3時間38分でゴールしました。そして2013年1月にはサブ3を達成。完全にスランプは抜け出したんです。

では、何をしたのか?

一言で言えば、考え方と行動(=トレーニング)を変えました。「ここだ!」というポイントレースを決めて、そのために照準を合わせた練習を行う。他にもいくつかレースはありましたが、いずれも練習の1つと位置付けて走りました。

「せっかく42.195km走るのだから、滅多にできないロングジョグにしよう」
「30kmまで、目標ペースで走ってみよう」

といった具合です。これも1つのファンランの形。レースだからといって、すべて全力で走る必要はないのです。レースを楽しむ方法は、いくらでもあります。むしろレースで走ることを経験することは、とても貴重な機会になるでしょう。

■レースの位置付けを考える
私もすでに、年内には湘南国際マラソン富士山マラソンNAHAマラソン青島太平洋マラソン、あるいはウルトラマラソンとして伊南川100kmウルトラ遠足などにエントリーしています。こうして並べてみると、恐らく出場レース数は多い方でしょう。だいたい、年間20〜25本程度のレースに出場しています。

「レース出まくってるじゃん!」

と言われそうですが、それで良いんです。レースでの経験は、ポイントレースで結果を残すために必要。それぞれのレースに課題を持ち、確認しながら走るつもりです。

レースシーズンは確かに目前です。しかし私は、まだ基礎力を付ける下地作りの第2フェーズ。しっかり距離を踏みながら、身体とフォームの改善を行っています。
スピード練習は抑えめに。まずは年内に、仕上がり具合を確認。そこで自己ベストを出せたら、狙うは春前での“サブ3”です(まだ勝負レースは未定)。フルマラソン、あるいはウルトラマラソンは、
  • 距離を踏む
  • レースの雰囲気を味わう
  • 仕上がりの状態を確認する
ために絶好の機会になります。

いくつものレースに出ることを、悪いとは思いません。それどころか、目標達成のために必要とあれば、どんどん出れば良いでしょう。大切なのは、『そのレースの位置付け』を決めること。ポイントレースに対して、何をすべき、あるいは得るべきレースなのか。

「レースなのだから、やっぱり結果を出したい!」

と思う気持ちは分かります。しかし結果を出さなくても、先へ繋がる大切な何かを得ることはできるはずです。そしてそれが、最終的にはまさに求める結果への土台になります。 

■確かな成長のために
ランニングを始めたばかりの頃は、それこそ誰しもが記録を上げ、長い距離を走れるようになっていきす。しかし、これは当然のこと。 買ったばかりのスポンジがどんどん水を吸収するように、走ることによって体力や筋力、その他いろいろなことを純粋に吸収し成長ていきます。

ただし残念ながら、そのまま永遠に成長し続けることは出来ません。どこかで、なかなか成長が得られなくなる時期が訪れます。これが、恐らく私が経験したようなスランプなのでしょう。さらに成長を遂げるためには、目指す目標に沿った工夫が必要です。水をいっぱいに吸ったスポンジなら、一度水を絞り出せばまた吸収できます。あるいは、スポンジではない何かに切り替えることも出来るでしょう。
何が有効であるかは、人によって異なります。工夫とその実践、そして検証によってこそ、自分に今必要なことが見えてくるのではないでしょうか。

これから、レースシーズンが訪れます。レース1本1本ではなく、シーズンを終えたとき笑顔でいられるように。
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私もまた未熟なランナーながら、努力を重ねていきます。
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