Running Writer

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“走る”フリーライター・三河の、ランニングブログです。日々のトレーニングやレースレポートなどを、ランニングを楽しむための情報を中心に発信中。仕事や家族などその他の情報は、別ブログ『いいでしょ?僕の人生』で綴っています。


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2015年最初のレースとして、1/11(日)に『宮古島100kmワイドーマラソン』へ出場して参りました。この大会は2013年から連続3回目の出場です。1年間しっかり楽しんで走るため、気持ちのうえでも非常に大切な位置付けとなる本レース。

「とにかく楽しんで走り切る!」

いつものことながら、レースに向けた思いはこれに尽きます。
本レースでは、いつもアザラシキャップ着用。ある程度は記録も意識して走りたいということもあり、トウモロコシはおあずけです。全国のトウモロコシファンな皆さま、ご容赦くださいね。

■いざレース本番へ
三連休ということもあり、飛行機がいつもより高額。前日に東京から沖縄へ入る予定だったのですが、検索した結果、前々日に那覇で1泊してから宮古入りすることになりました。
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那覇で1人飯しつつ、気持ちを高めます。やっぱり、沖縄そばは外せませんよね。東京にも沖縄料理店はありますが、やっぱり現地が一番です。オリオンビールも当然のことながら、美味しく頂きました。
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そして、いざ宮古島へ。機内からの眺めが最高で、テンション上がりっぱなしでした。那覇から宮古島までは約35分。あっという間に到着します。周囲を見渡せば、そこには大勢のランナー。服装こそ普通でも、足元はランニングシューズ…という方が多いですね。
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宮古島では『ホテル ブリーズベイマリーナ』に宿泊しました。仲間と相部屋で。ここも3年連続で利用させて頂いています。海も近いし、観光でもお勧めのホテルです。
昨年まではすぐ横(徒歩1分)の『うえのドイツ文化村』がスタート&ゴールで便利だったのですが、今年はコース変更。しかしシャトルバスが運行しているということで、迷わずこちらを選びました。

当日は3:00に起床。勝負服“走る”フリーライターTシャツを身にまとい、3:30から朝食を頂きます。こんな早朝から朝食を用意してくださる、ホテルの方々に感謝ですね。レース中にお腹が痛くならないよう、またパワーが出るように。バイキングは、こうした調整ができるのもGoodポイントだと思います。
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そして、スタート地点へ到着!荷物預け、そして最終の出走チェックを済ませてスタート時間を待ちます。時間が経つにつれて増えるランナーや応援の方々。スタートは5:00のため周囲は暗闇(日の出時刻は7:24)ですが、ランナーの緊張やワクワク感が伝わってくるようでした。

■思うがままに突っ走る前半50km
スタート直後は混雑するので、2km程をウォーミングアップ代わりにゆったり走ります。良い感じに身体が温まったところで、少しずつ集団がバラけたらペースアップです。

今回のレース展開について、特にタイムなど目標は決めていませんでした。 ただし1つだけ決めていたことがあります。それは、

「常に、そのとき一番気持よく感じるペースで走ろう」

というもの。GPSウォッチこそ持っていましたが、ペースはあまり関係なし。いくらオーバーペースだろうが、そのとき気持ちよければOK。ウォッチをいちいち気にするくらいなら、せっかくの宮古島、景色を思い切り楽しもう!というわけです。
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どうですか、このこの景色!!
7:30頃(30km手前)、ちょうど木々が途切れたところで見えた朝焼けです。ここまで真っ暗闇でしたが、見た瞬間に立ち止まって写真を撮ってしまいました。太陽はすぐに分厚い雲へと隠れてしまいますが、こういう瞬間に巡り会えるのは気持ちに余裕があればこそ。

ちなみに、ここまで5:10/km平均ほどのペースで走っていました。100kmの自己ベスト10時間36分の私にとって、これは完全なる超オーバーペース。しかし脚は元気!ちょうど小雨が降り始めたこともあり、涼しさを感じながら気持よく走れていました。
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約30〜40kmの間は、池間島をぐるっと廻るコースです。その入口ともいえる池間大橋は、個人的にコース内で一番の絶景!青々と澄んだ海を見下ろすと、遠目にも魚の泳ぐ姿が見られます。そして池間大橋は折り返しポイントにもなっているため、多くのランナーとすれ違えるのもナイス。一緒に出場していたトライアスロンチームの仲間、そしてランを通じて知り合った多くのランナーと会うことができました。 

「頑張りましょう〜!」
「ファイト〜!」
「ナイスラン!」

全く知らないランナーからも応援を受け、そして応援を返す中で、気持ちはどんどん高まります。ウルトラマラソンは、こうしたランナー同士の交流が多いのも楽しさの1つではないでしょうか。実際、これまで多くのランナーと新たな出会いがありましたが、多くはウルトラマラソンでの繋がりです。フルマラソンのようにペースが速いレースでは、なかなか声を掛け合うのも難しいですからね。
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フルマラソン地点を3時間40分程で通過し、あっという間に中間点の50km。時計を見てみると、スタートから4時間19分が経過していました。よく考えれば、フルマラソン通過が今シーズンのベストとあまり変わらない!明らかなオーバーペース!しかしここで、2015年における1つの目標と考えていた、“サブ10”(10時間切り)の達成が視野に入ります。

50km地点には荷物をドロップできるので、少し休みながらスマホを充電しました。補給食も用意していましたが、あまり使わなかったのでBCAAパウダーのみ補充。予想以上のハイペースで走れたこともあり、

「4時間半になったら出発しよう」


と10分休憩を入れました。 同じく休憩するランナーと会話を楽しみながら、気温の上昇を予測して水分&塩分を少し多めにエイドで摂取。おにぎりは食べたいと思わなかったので、1/4切りのクリームパンのみ頂きました。思えばこの“おにぎりを食べたいと思わなかった”のが、危険信号だったのかもしれません。

■予想外のトラブルでSTOP&失速
※少し汚い話が出てくるので、嫌な方は飛ばしてください※
予定通りに4時間30分で50km地点から離れました。脚は多少重く感じるものの、ここまで5:12/kmペースで走っているとは思えない快調さ。ペースは落ちることなく、スムーズに走り始めます。

5km程を進んだそのとき、前方に立ち止まって辛そうにしているランナーの姿が見えました。木に手を掛けてうつ向き、完全に止まっています。程なくして追いついたので、声を掛けました。気持ち悪くなってしまったというランナー。軽く背中をさすってあげると嘔吐。50kmエイドから近いこともあり、何度も繰り返してしまいました。
少しして落ち着いたのか、御礼を言ってヨロヨロと走り始めるランナー。とりあえず一安心して、私もまた走り出そうとしました。しかしそのとき、見事に“もらって”しまったようで、同じように嘔吐してしまいます。ウルトラマラソンにおいて、食べたもの、飲んだものを失うことは非常にマズい事態です。走るためのエネルギー、そして体内の水分が減少しますので、早急な補給が必須。しかし幸いにも、もうすぐエイドがある距離でした。
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…が、この嘔吐をキッカケに食べ物を受け付けなくなり、身体にも力が入らない状態。走っては歩き、また走っては歩く。エイドで十分な補給も難しくなり、気づけばペースは8:00/kmまで落ちることも。アップダウンの多いコースですが、これまで以上に坂道が長く感じました。気温も上がり始め、日差しを受けると体感温度は23度程でしょうか。

考えてみれば、前半のハイペースで内臓への負担が大きかったのだと思います。そこに嘔吐がキッカケとなって、胃がギブアップしてしまったのでしょう。連鎖的に身体が忘れていた疲労を一気に感じ始めた…そんな流れではないでしょうか。

しかし、考えたってどうしようもありません。タイムを見れば、すべて歩いても制限時間内には間に合います。ネガティブになったら、レース自体がつまらなくなってしまうじゃありませんか。

「焦らない。この事態をも楽しんでやろう」

そう考えると、少し気持ちが楽になりました。「なに走れなくなってんだよ」なんて独り言を言いながら、笑ってしまう場面も。身体はキツくても、気持ちが切れなかったのは幸いでした。

「チクショー!なんだこりゃー!」

周囲にランナーがいないときを見計らい、 海に向けて大声で叫ぶ。アホみたいですが、これが良い気晴らしになるんですね。そして人間は面白いもので、そんなことを繰り返していたら、ふと気づいたんです。

「あれ?なんか身体が楽になってない?」

 70km地点を過ぎた辺りのこと。試しにジェルを飲むと、とっても美味しい。予備で持っていたドリンクも、ゴクゴク...。そうしているうちに、テンションが再び戻ってきました。ここから、宮古島100kmワイドーマラソンの第二幕が始まります。

■目指せサブ10!
時計を見てみると、かなり時間をロスしていました。一度は見えたはずのサブ10も、アベレージペースで考えて厳しい。しかし、まだ自己ベスト更新は間に合います。残りの距離は、普段トレーニングでも走っている長さ。

「ここで自己ベスト更新できなきゃ、楽しくないよね?」

後悔の残るレースは、楽しくありません。出来るかもしれない事に全力でチャレンジしないレースも同じ。走れてよかった…では、満足できないんです。完走だけを目指すなら、最初からファンランで走りますからね。
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とにかく6:00/kmペースを基本に、登りは無理せずRUN&WALK作戦。基本的にアップダウンだらけのコースなので、下り坂を上手く使いながらペースを保ちます。走れるようになったとはいえ、疲労が無くなったわけではありません。6:00/kmを維持するのも、気を抜くと崩れてしまいそうでした。

そして90kmを手前にして、再び時計を見ます。もう、最初の“時計を気にしない”なんて忘れてますね。記録を意識し始めてしまうと、どうしても避けられません。
90km地点を、恐らく9時間少しオーバーで通過する見込み。このまま走れば、自己ベストは間違いありません。恐らくゴールは10時間5分ほどでしょうか。 GPSが少し狂ってしまったようで正確には分かりませんが、サブ10はやはり“あと一歩”及ばないようでした。

「あと一歩…だけ?」

 言い換えれば、あと一歩でクリアできる目標。しかも、あと10kmあります。ここで勝負せず自己ベスト更新だけを成しても、果たして満足できるのか?楽しいのか?...答えは当然「No」ですよね。
とはいえペースを上げることは、容易ではありませんでした。周囲にもランナーはおらず、完全な一人旅状態。少し早く走ってみても、すぐに脚が悲鳴を上げてしまいます。

「せめて、誰か引っ張ってくれる人がいれば」

 人生って、本当に面白いものですね。そう思った瞬間に、後方から広報車が接近。なんと、次のようなアナウンスがされているではありませんか。

「まもなく、23kmの部のランナーがコースを通ります」

この声を聞いた瞬間、頭のなかには1つしか選択肢がありませんでした。そう、その選択肢とは“23kmの選手についていく”こと。ペースは、間違いなく4:00/kmを切ってくるでしょう。しかし、もし置いて行かれても、次々とそういったハイペースで走る23km出場ランナーがやってくるはず。

そこから5km...本当にヤバかったです。本当に速いんですから。とにかくゼッケンを見続けて、身体も気持ちも総動員。フォームも維持できていなかったと思います。まったく見えていなかった前方の100km出場ランナーを、何人も抜きました。23kmを走っていた方にとっては、邪魔だったかもしれませんね...すいません。

95kmの最終エイド。 到着すれば、残り5kmで9時間25分経過。もう、これ以上ハイペースは維持できません。立っているだけで、脚がガタガタ震えていました。呼吸も乱れたまま。身体中が疲れきっていましたが、5kmなら気持ちで走りきれるはず。サブ10...見えました。

■遂にサブ10!ゴール!
ラスト5kmは、驚くほど楽しく感じました。身体は限界なのに、気持ちは高ぶって仕方ありません。それは「サブ10出来る」という1つのゴールが見えていたからだと思います。
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ゴール地点には、ゴールテープと大勢の応援。ブラスバンドの演奏が鳴り響き、

「100kmの部、ゼッケンNo187の三河さんがまもなくゴールです」

とアナウンス。辛さ、楽しさ、そして達成感。色んな思いが湧き上がり、思わず涙しそう(しなかったけど)でした。これはフルマラソンのようなスピードレースとは、また違う感動です。
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ゴールタイムは9時間52分38秒。自己ベストを44分更新してのサブ10達成です!ちなみに、昨年走った同レースからは約2時間もタイムが縮まりました。順位43位(エントリー786名)です。

ランニングを始めて3年半。人生初のウルトラマラソン完走からは2年半で、大きな目標の1つを達成できました。これまで大勢の方々とランニングを通じて出会い、学びを得ながら走った結果です。今回もレース中、本当に多くのランナーと交流がありました。
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レース翌日は、お散歩jogで“宮古まもる君”に完走報告。今年も、バッチリ島を守ってましたよ!

次のレースは、1/25の『勝田全国マラソン』。来月初旬に3日間で280km走る『沖縄本島マラソンT.O.F.R2015』を控えているので、トウモロコシでのファンラン予定です。本当は記録を狙いたいレースですが、無理は禁物!...ということで)。
2015年、良いレーススタートを切ることが出来ました。SNS等も含めて本当に多くの応援を頂き、この場を借りて感謝申し上げます。ウルトラマラソン、楽しいですよ!! 
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