Running Writer

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“走る”フリーライター・三河の、ランニングブログです。日々のトレーニングやレースレポートなどを、ランニングを楽しむための情報を中心に発信中。仕事や家族などその他の情報は、別ブログ『いいでしょ?僕の人生』で綴っています。


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ゴールデンウィーク、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?私の周りでは、「川の道フットレース520km」や「萩往還」など“変態レース”で充実した日々を送る人々が多いようです。実に羨ましいゴールデンウィーク...私はトレーニングと仕事、家族サービスを楽しみます。

さて最近、よくウルトラマラソンについて質問を受けるようになりました。ウルトラマラソンとは42.195kmを超えるレースの総称。フルマラソンを完走した一部の方々が、次なる目標としてウルトラマラソンを目指す傾向にあるのでしょう。私も今年だけで、すでに4本のウルトラマラソン大会に出走(内、1回はスイーパー)しています。

■私の初ウルトラマラソン
私が初めてウルトラマラソンを走ったのは、2012年7月に行われた「第2回奥多摩周遊エコ・ジャーニー」でした。コースの約半分がトレイルコースだった99km。なんとか完走しましたが、当時フルマラソンのPBは4時間1分。ちょうどランニングを初めて1年、サブ4が達成できずスランプ気味だった頃です。

「サブ4するまで、ウルトラマラソンは挑戦しない!」

なんて言っていたのですが、 走友からの一言に後押しされ出場。何度も諦めかけながら、15時間50分(制限時間:24時間)で走り切りました。しかし、レース後半は何度も立ち止まったり、歩いたりの繰り返し。今でこそサブ10を達成していますが、 当時ウルトラマラソンという大会の苛酷さは想像を超えていました。ここではウルトラマラソンとして最もメジャーとも言える100kmマラソンについて、経験談から走破に向けた私なりのポイントを書いておきます。

■フルマラソンとの違い
フルマラソンを走れたからといって、ウルトラマラソンを完走できるとは限りません。実際、サブ3ランナーでも初めての100kmでDNFしたという話を聞きます。私も初ウルトラマラソンを完走こそしていますが、一般的な100kmレースなら制限時間でアウト(一般には14時間が多い)です。

ウルトラマラソンはフルマラソンと違う

これは、私を含め多くのウルトラマラソンランナーが口にする言葉でしょう。50〜60kmなら実感度は低いかもしれませんが、100kmとなれば誰もが理解できるはずです。そもそも距離がフルマラソンの2倍以上。多くのランナーは、約半日を動き続けることになります。スケジュールやタイムによっては、暗闇の中を走ることだってあるでしょう。
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しかしその半面、走る速度はフルマラソンより落ちます。恐らく、普段jogなどのトレーニングで走っているようなペースでしょうか。体力・持久力を考えれば、フルマラソンと同じようなペースで走り切れないことは明確です。
  • 距離、時間が長い
  • ペースが遅い
 当たり前のような2つの違いですが、これが実にさまざまな部分で効いてきます。あくまで私の体感したものですが、いくつか具体例を挙げておきましょう。

1)食べながら走る
フルマラソンなら、恐らく水と塩分だけしっかり摂れば走り切れます。パワージェルなど糖質補給を行う人もいますが、それらで摂取できるエネルギーは微々たるもの。いわゆる“エネルギー切れ”は、フルマラソンの場合あまり起きません。実際、私は『朝食抜き&補給水のみ』でフルマラソンを走ってみたことがありますが、全く問題ありませんでした。
しかしウルトラマラソンでは、そうもいきません。摂取すべき水分・塩分はもちろん、レース中の空腹は避けられないでしょう。中には「ウルトラマラソンも補給なんていらない」という強者もいますが、それはまた別の話。エイドでも、フルマラソンとは異なり次のような固形物がたくさん出てきます。
  • おにぎり
  • パン
  • うどん、蕎麦 など
ここで問題となるのが、“食べてすぐ走らなければいけない”ということ。想像しただけで、お腹が痛くなりそう…という方もいるでしょう。
特に気を付けたいのが、食べ物を受け付けなくなる事態。走ることで胃が揺さぶられ、疲労していくこと等によって、『食べたくても食べられない』状態に陥ることがあります。そうなれば、補給ゼロのまま走り続けることとなり、心身ともに追い詰められてしまうでしょう。『食べられる』ということは、ウルトラマラソンを走破するうえで非常に大切です。

2)ゆっくり長く走る
前述の通り、ウルトラマラソンはフルマラソンに比べてゆっくりしたペースで走ります。例えば完走を目指すなら、7:00/kmが最低ラインといったところでしょうか。一見すると楽勝に思えるペースですが、これを長時間維持するとなると、容易ではありません。
筋肉や関節部への負担は、運動時間に比例して蓄積されていきます。脚に体重が乗る時間、そして地面からの反発を受け止める機会が増えることで、特にレース中盤以降は『脚が重い』と感じ始めるはずです。フルマラソンに“30kmの壁”というものがありますが、ウルトラマラソンでは60km以降が山場でしょうか。走れずに歩き出したり、エイドで休憩を取るランナーが増えてきます。

しかし歩きや休憩が増えると、制限時間が迫ってくるでしょう。一般的な100kmマラソンなら制限時間は14時間ですが、後半をすべて歩いたり、何度も休憩したりしてクリアできるほど甘いものではありません。
例えばラスト40kmをすべて歩くとしましょう。疲労した状態ですので、ペースは11:00/km程度と考えておきます。ゴールまで440分(=7時間20分)かかります。しかしこの状態では、恐らく休憩も必要でしょう。そうなれば、ゴールまでの所要時間は8時間程度でしょうか。つまり60kmまでを6時間で走っておかなければならない計算です。60kmを6時間ということは6:00/kmペース。サブ4前後のランナーならば、これが非常に厳しい数字であることはお分かり頂けるはずです。

3)コースは一筋縄ではいかない
フルマラソンでも、大会によってアップダウンのキツイものが数多くあります。しかしウルトラマラソンの場合、その傾向はさらに顕著です。誰もがご存知の通り、地球は球体ですが平坦ではありません。100kmという超長距離において、平坦コースを確保するというのは非常に困難なのです。「柴又100K」のようなオール河川敷というレース以外に、ウルトラマラソンでアップダウンを割けることはほぼできないでしょう。
  • コース途中で山道を通る
  • 激坂をいくつも超える
  • 平坦ほぼゼロのアップダウンコース
  • 風の吹き荒れる海上の橋を渡る
少し極端かもしれませんが、これらがウルトラマラソンではよく起きます。実際、私が初めて走ったウルトラマラソン「奥多摩周遊エコ・ジャーニー」は、スタートからいきなり8kmの山道でした。舗装路においても、10km以上にわたって登り続けるコース。これもまたウルトラマラソンの楽しさではあるのですが、フルマラソンのコースをイメージしていると、度肝を抜かれるかもしれません。当然、それなりの対策も必要となるでしょう。

■ウルトラマラソンの楽しさ
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しかし当然ながら、多くのウルトラマラソンランナーがいるということは、そこにやめられない楽しさがあります。それこそ人によって感じ方はさまざまですが、
  • ペースがゆったりだから他ランナーとの会話が多い
  • しっかり休憩するからスタッフの方々と交流が多い
  • 見知らぬ景色をじっくり楽しめる
  • 距離相応の達成感が半端ない
などが挙げられるのではないでしょうか。あるいは事前に走破に向けて戦略を練ったり、準備したりするのが楽しいという方もいるようです。特に大自然の中を走ることのできるウルトラマラソンは、個人的にも非常におすすめ。得てしてそういう大会はコースがキツイ傾向にあるのですが、チャレンジする価値は十分にあります。

■ウルトラマラソンを走破するためのポイント
ウルトラマラソン歴3年弱の私がポイントなんて挙げるのも気が引けるのですが、走歴に対して場数だけは踏んでいると自負しています。そんな中、実際に気を付けているポイントを4つご紹介しますので、参考になれば幸いです。

<Point1:走り方を改善しよう>
筋肉は、使うほどに疲労します。100kmという長丁場、筋肉だけに頼っていては走り切れないでしょう。そのため、できる限り筋肉に頼らず、かつ省エネルギーで走れるよう改善が必要です。
ちなみに私は『チーランニング』というメソッドを基本に取り入れ、実践してきました。現在、100kmならば歩くことなく楽しんで走れます。他にもウルトラマラソンの走り方については書籍も発刊されていますし、スクールや練習会もあるようです。自分の走り方を見直し、必要に応じて新たな知識・技術を習得すると良いでしょう。

<Point2:荷物はコンパクトに>
ウルトラマラソン大会では、バックパックを背負って走るランナーの姿が散見されます。もちろん中には、小規模でエイド等の少ないレースもあり、その場合にはある程度の準備が必要でしょう。しかし、例えば5〜10km毎にエイドが設置されているようなレースで、わざわざ水分や補給食を多く持ち運ぶことは不要です。
むしろ重い荷物は負担となりますので、できるだけコンパクトに、軽量化することをおすすめします。どうしても不安なら、200〜300ml程度の水分にパワージェルを2本程度。これだけあれば、“次のエイド”までたどり着けるはずです。

<Point3:積極的なコミュニケーション>
レース中は、他ランナーやエイドスタッフ、あるいは現地の方々との触れ合いを是非とも楽しんでください。走るペースはゆったりしていますので、脚が疲れても会話はできます。他ランナーと話ながら走っていると、気が紛れて思ったより楽に走れます。折り返しのあるコースなら、知り合ったランナーとハイタッチ!なんてことも。また、エイドスタッフとのコミュニケーションを楽しみにすれば、「次のエイドまで頑張ろう」という目標ができます。
現地の方が応援に出てくれていれば、「ありがとう」と声をかける。きっと、笑顔で応援してくれるはずです。もしかしたら、道行く人に「何かの大会なの?」なんて聞かれるかもしれません。マラソンは1人の戦いになりがちですが、約半日にもなる長時間を孤独に走り続けることは、精神的にもキツイはず。コミュニケーションが気持ちをほぐし、結果的に身体的な疲労にも良い影響を与えてくれます。

<Point4:周囲からの応援>
応援は力になる。マラソン大会を経験している方ならば、恐らく実感しているのではないでしょうか。沿道からの応援はもちろん、例えばFacebookなどを活用するのもおすすめです。

「これから100kmレース、行ってきます!」
「今、やっと半分の50km地点に着きました!」
「ラスト30km、キツイけどあと少し!」

なんて投稿すれば、きっと友人から応援が飛び交います。例えその場では疲れて返信できなくても、その言葉一つ一つが力になるはずです。あるいは、家族に電話してみるのも良いかもしれません。優しく応援してくれるかもしれないし、もしかしたら活を入れてくれるかもしれません。いずれにしても、応援は間違いなく背中を押してくれるものです。

■楽しんでチャレンジを!
ここまで色々と書いてきましたが、結論として「経験してみなければ分からない」でしょう。100kmという長丁場では、思わぬアクシデントが起きるかもしれません。お腹を壊してトイレでタイムロスしたり、レース中に雨が降ってきたり。しかしそれすら「楽しい」と思えれば、自ずとゴールにたどり着けます。

最後は気持ち!

どれだけレースを楽しみ、完走を目指して諦めずに脚を進められるか。ウルトラマラソンで最も大切なのは、やはり自分自身の気持ちでしょう。ここでご紹介したポイントは、その気持ちを切らさないための土台に過ぎません。
もちろん、もしかしたら完走できないかもしれません。しかし経験することによって、次へ繋がる“何か”は得られるのではないでしょうか。どれだけキツくても、制限時間になればレースは終わります。その一瞬一瞬を楽しみ、是非ともウルトラマラソンを楽しんでください。1人で不安なら、周囲のランナー仲間を巻き込んでしまうのも良いでしょう。せっかく走るのですから、スタートからゴールまでを全力で楽しみましょう♪
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