Running Writer

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“走る”フリーライター・三河の、ランニングブログです。日々のトレーニングやレースレポートなどを、ランニングを楽しむための情報を中心に発信中。仕事や家族などその他の情報は、別ブログ『いいでしょ?僕の人生』で綴っています。


世の中はシルバーウィーク!連休中は、各地でさまざまなマラソン大会が開催されているようです。気温も下がってきて、まさにこれからマラソンシーズン突入!ということで、私も走って参りました。

今回出場したのは、広島県安芸太田町を舞台とした「第6回 安芸太田しわいマラソン」。4月に走った「第1回 奥出雲ウルトラおろち100km遠足」で、相部屋になったランナーから勧められた大会です。なんでも、かなりアップダウンの厳しいタフコースなのだとか。上り坂を苦手にしている私にとって、よいトレーニングになりそうではありませんか。

本来はまず88kmの部に出場する必要があり、そこで10時間を切れば100kmの部への出場権が得られるとのこと。しかしせっかく広島まで行くなら、やっぱり100km走りたい...。地元広島のランナーさんにアドバイスを受けつつ運営元にお願いしたところ、特別に100kmの部へ出場させていただけることに!ということで、100kmの部を走ってきましたので報告レポです。

■前日入りで受付&前夜祭!
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実は、人生初となる広島県。初めて訪れる地で100km走れるなんて、まさに至福ですね。広島駅ではいきなり道に迷いましたが、そんなの問題ありません。だって初めてなんですから。
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会場までは広島在住のランナーさんにお願いして、車に同乗させていただきました。会場入り前に気合入れということで、こちらのつけ麺を。初めての広島つけ麺...

美味いですね!!

冷たいスープのつけ麺、東京ではあまり見かけません。そして辛い!辛い!一緒だった方は“80辛”という良くわからない数字をオーダーしていましたが、私はおとなしく5辛で。それでも、バッチリ汗がふき出ました。地元民、恐るべし・・・。
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お腹を満たしたところで、受付会場に到着。道中も至るところに大会ポスターや旗が見られました。地域全体をあげて盛り上げようとしているのを感じますね。素敵な大会の予感!
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ゼッケンナンバーは103。100kmの部は赤88kmの部は青でカラーが違いました。100kmの部は約100名の参加ながら、なんと東京都からは私だけ

「東京代表だぜ!」

なんて勝手にテンションを上げていきます。...と同時に、

「東京のランナーはショボいとか思われたくないな」

とやる気スイッチも“オン”に。まぁ、そんなこと思う人はいないんですけどね。見知らぬレース、しかもタフコースと名高い大会ですから、自分で自分を鼓舞していきました。
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受付を終えてから宿で風呂に入り、夜は“前夜祭”に参加!いつも前日は部屋でひっそり過ごすのですが、なんとなくノリで。こういうノリから、新たな出会いが生まれることもあります。
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マラソン大会前ということで、メニューは炭水化物が多め。特に焼きそばは、美味しかったです。この後、ちゃんとお酒も登場しました!ビール瓶、いったい何本空いたかな...なんとなく会場内で、ここのレーブルが一番飲んでた気がします。

■前半戦は腹痛との闘いが...
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スタートは朝5:30。すでに大勢のランナーが集まり、その雰囲気にこちらも胸が高まります。前日に受付は済ませていましたが、この大会では当日にも最終の出走確認が必要です。会場に貼りだされた出場者一覧にサインを済ませ、荷物を預けたら完了。あとはスタートの号砲を待つのみ!
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号砲とともに一斉にスタートするランナー。私は知り合いと一緒に、ほぼ最後尾からのスタートとなりました。記録を狙うのではなく、あくまで「楽しんで完走すること」が目標。いったいどんなコースが待ち構えているのか、私のレースがスタートします。
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温井ダムを通って山へ。スタートすぐに、早くもこんなに高い場所を走っていました。山頂部に掛かる朝もやがとても幻想的。景色を見るだけで、これから走るコースの苛酷さ、そして素晴らしさが感じられるような気がします。
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コース中にはこんなトンネルも。しかし入口・出口ともに車が置かれ、ライトで照らしてくれていました。「ランナーが走りやすいように」という運営側の配慮が感じられる、とても嬉しい対応です。おかげで安心して進むことができました。
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次々と変わる景色に、ついシャッターを押してしまいます。ほぼ最後尾からスタートしたのですが、いったい何人抜いたでしょう。いつの間にか大勢いたランナーもまばら。1人、また1人と前方にいるランナーをターゲットにしながら走ります。

「88kmの部で通常の100kmマラソンレベル」 
「88kmでの10時間切りが、100kmマラソンのサブ10に相当する」

この大会については、事前にこんなことを多方から聞いていました。そもそも88kmの部を10時間以内で完走しなければ、本来であれば出られない100kmの部。甘くはありません。そこで今回、私は12時間切りを1つの目標としていました。
過去、100kmマラソンの自己ベストは9時間52分38秒。今年の「宮古島ワイドーマラソン」で出した記録です。ブログやRunPort用の写真も撮りますし、せっかくなのでエイドではスタッフとの会話も楽しみたい。そのために立ち止まる時間を考えれば、あまり余裕はありません。

しかも天気予報を見る限り、日中は28度程度まで気温が上がるとのこと。暑くなれば体力を奪われてしまいます。そのため前半に貯金を作るべく、50km地点のエイドへ5時間以内の到着を目安にペースを決めました。もちろん上り坂を含めて。しかしアップダウン以上に、思わぬ壁が立ちふさがるのでした・・・
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ほどなくして山道が現れました。すぐ左手には川が流れ、涼しげな風が体に当たります。しかし水の音というのは、どうしてこうも癒やされるのでしょうか。疲れなど吹き飛んでしまいそう。序盤というのもありますが、大自然の中を走れるコースは本当に魅力的です。
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・・・が、ちょうど未舗装路の続くプチトレイルなコースに入ったとき。悲劇が起こりました。

「めっちゃ腹が痛い!!ヤバイ!!!」

突然の腹痛。しかも、いきなり切羽詰まった感覚です。しかし周りを見渡す限り、トイレなんて望めそうにありません。なんとかペースを維持しますが、動けなくなるのは時間の問題。できるだけ腹部に刺激がいかないよう、上下運動のない走りを心がけます。

スタスタスタスタスタ・・・

感覚的にはかなり時間が経ったように思えますが、恐らく1〜2kmのことだったでしょう。いよいよ限界を感じたそのとき、マラソンの神さまは私に微笑んだようです。
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そう、トイレが目の前に!登山・散策者向けのトイレでしょうか。トイレの表示を見つけた瞬間の安堵感たるや、言葉には表せないほどでした。実は同時にトイレへ向かおうとした女性に「お先にどうぞ」なんて言って自分を追い込んでしまったのですが、それすら今では美しい思い出です。
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この後も何度かトイレに駆け込みますが、ノープロブレム。最初の腹痛を回避した私は、もはや無敵状態でペースアップ!トイレタイムの遅れを取り戻しました。気温は9度。アームウォーマーを着けていましたが、走らなければ寒いレベルです。
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道中で通った川沿いのコースでは、至るところに立て札がありました。滝なども見られ、ついつい足を止めてしまいます。
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約70kmまでは、常にアップダウンのみと言っても過言ではないコース。上り坂を6分台/kmで維持しつつ、下りは勾配によって3:50〜4:30/km程度で走ります。30kmを過ぎる頃には、すでに周囲も明るくなっていました。
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ということで、エイドで朝食。立ち止まると肌寒く、温かい豚汁が至福の時間を与えてくれました。あまりエイドで食べる方ではないのですが、せっかく用意してくださったので、ありがたくいただきます。
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豚汁パワーでまずは50kmを目指します。相変わらずのアップダウンですが、「いくらペースが落ちても、アップダウン含めすべて走ろう」と決めていました。本大会、私の中では苦手なアップダウン克服のトレーニングも兼ねていたのです。
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そしてスタートから約4時間40分、予定より少し早いペースで50km地点に到着!!さすがに、少しずつ登り坂が走れないほどの疲労感が。しかしここで、また悪い癖が出るのでした・・・

■やったります!攻めの後半戦
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50km地点のエイドでは3分ほど休憩。まだまだ素晴らしい景色のコースが続きます。荷物をドロップしていましたが、むしろ持っていた補給食を置きました。なぜ、そんなに急いで出発したのか。実はエイドに着く前、応援しながら自転車を走らせていた方にこう言われたのです。

「今、27位ですよ!」

思った以上の高順位に驚いたと共に、2つつの欲が生まれます。

「まだ残り50km...20位以内に入れるんじゃない?」
「このタフなコースで自己ベスト更新したら、ちょっと自信がつくかも!?」


ということで予定変更。もちろん写真撮影は行いながら、『20位以内で自己ベスト』を目指すと決心しました。そうと決まれば、できるだけ削れる時間を詰めていかなければいけません。
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重い足を、全身を使って前に進めます。もちろん上り坂だって歩きません。特に「井仁の棚田」はずっと続く長い坂道に苦しめられ、ペースも7:00/km台を維持するのがやっと。そのとき頭の中にあったのは、

「いくら長い坂道だって、進み続ければ終わりがある」

ということ。当たり前のことですが、これがモチベーションとなり、気持ちを切らさずに走り続けられたのだと思います。以前の私なら、恐らく「これは仕方ない」と歩いていたはず。少しは、精神的にも強くなったでしょうか。
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さすがの猛者ランナーも、後半ではポツポツと上り坂を歩く姿が見られます。しかし私にとって、これはむしろチャンス!周囲が諦め始めるからこそ、諦めなければ順位が上がりますから。
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70kmを過ぎると、傾斜は緩やかになります。ほぼフラットに近いコースですが、疲れた脚にはそれでも大変。なんとか約81km地点にある「太田川交流館かけはし」エイドに到着する頃には、平地でも6:00/kmを維持するのに必死でした。しかし本当に辛いのは、ここからだったのです。

■切れるか自己ベスト!?疾走からの全力ゴール
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「太田川交流館かけはし」エイドまでは、88km・100kmともに全く同じコースを走ります。総勢500名近いランナーが走っていますので、完全な一人旅という状況はめったにありませんでした。しかしここからは違います。エイドを出てすぐ、88kmの部はそのままゴールへ向かいますが、100kmの部は反対の道へと進むのです。角を曲がった瞬間、すぐ心が折れそうになりました。

「誰もいない・・・」

いくら走ってもランナーが見えません。100kmの部は100名程度の出場者ですので、いきなりコース上を走るランナーの数が減るのです。まさに一人旅・・・応援なども少なくなり、寂しさが心を包みました。その代わり、エイドでスタッフの方々に会えたときの喜びは忘れられません。
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約85kmの地点で、100kmの部でトップがゴールしたとのアナウンスが聞こえました。しかし他人は関係なし!時計を見る限り、自己ベストは非常にギリギリの状況です。

「とにかく自分の限界を出し切るしかない」

それだけの思いで走りました。残り90kmを過ぎた時点で、自己ベストを出すには6:10/kmペースで走る必要があることを知ります。そのため、どうしてもラスト2km地点まで5:50/km程度で走る必要がありました。なぜなら・・・
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ラスト2kmで現れるのが、こちらの481段あるという階段。なんと、温井ダムの下から上まで続く、この階段を駆け上がらなければいけないのです。当初の想定では、ここは走れないという計算。そのため、どうしても余裕が欲しかったのです。さらに階段を登り終えてからラスト1kmも、急勾配とは言わないまでも上り坂。

しかし階段下に到着した時点で、自己ベストまでの残り時間は12分強。ラスト1kmを全力疾走したとして、階段を歩いてはとても間に合いません。

「よっしゃ、やるか!」

自然と出た言葉。手すりを上手く使いながら、歩かずに階段を駆け上がります。歩いていたランナーを、階段の途中で3名は抜いたでしょうか。脚が重い。一段一段、登るたびに踏ん張りが弱くなっていく。400段を越えたところで一瞬脚が止まりましたが、踏ん張って登り切った自分に拍手!
登り切った地点での写真撮影にしっかり応えつつ、そのままゴールを目指します。もはや、残り時間など見ていません。まさに必死です。そして・・・
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結果は、9時間52分48秒で13位!残念ながら自己ベストには10秒届きませんでしたが、順位は大幅にクリア。最後尾スタートだったこともあり、手元の時計では少しだけ自己ベストを上回ったので、満足の結果です。
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ゴール後はすぐに風呂で汗を流し、温かいうどんとビールをいただきました。エイドで食べたものは「豚汁」「そうめん」「たい焼き」のみ。あとは水分だけです。だからお腹が空いていたというわけではないのですが、自分へのご褒美ですね。とても美味しくいただきました。
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知り合いのランナーも無事に全員がゴール。再び広島市内まで車に同乗させていただき、祝杯をあげました。牡蠣…デカうま!!最高ですね〜♪
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いつもレース後は1人酒で静かに終わるのですが、互いにゴールを祝うのも素晴らしいもの。さらに今回は、応援にも来てくださっていた地元のクリエイターさんともお会いすることができました。知り合いを通じて「会いたい!」と言ってくださったそうで、本当に感謝です!

「また出ますか?」

と言われると即答できません。ごめんなさい。特に100kmだけの一人旅コースは、本当に寂しかったので...。仮装で88kmの部なんていうのも良いかも!?しかしこの大会、自然も人もすべてが素晴らしい。沿道の応援の方々からは、何度も

「三河さん頑張って!」
「東京から、わざわざありがとう!」


なんて、名指しで声を掛けていただきました。それだけで、走りに行った甲斐があるというもの。ぜひ多くのランナーに走っていただきたい大会です。

レースの概要は改めてRunPortでも書きますので、ご期待ください!関係者の皆さま、そして応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!

最高に楽しかったです♪
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コメント

 コメント一覧 (2)

    • 1. yamane
    • September 30, 2015 13:13
    • 遠路はるばるお疲れさまでした。自分は88キロで10時間切りを目指してましたがおそらく偶然にもみかわさんの一人前のフィニッシュだったようです。おろちにも出てましたのでレース中お会いしてたかもしれないですね。来年は100キロに出るかどうか・・・STYのエントリーができたらそちらに行きたいです。
    • 2. みかわん
    • September 30, 2015 13:15
    • なんという偶然!!しわいマラソン、お疲れ様でした〜!100kmの資格GET、ぜひとも挑戦してみてください!
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