11月8日(日)、朝起きると曇り空。前日に早めに就寝したため、自然と目を覚ますことができました。天気予報を調べたところ、昼前頃から雨の予報。前日には朝から雨予報だったので、少しズレたようです。これなら、もしかしたら雨が降る前に走りきれる可能性もあります。
■記録を狙うための位置取り
受付はホテルから徒歩1分。寒くはありませんでしたが、身体を冷やさぬようアームウォーマー&雨合羽を着用して向かいます。しかし気温は朝から20度近くあり、すぐにアームウォーマーは外しました。着用したまま走ったら、すぐに脱いで邪魔になると考えての判断です。
「記録を狙う以上、できるだけ前からスタートしたい。」
スタート直後の混雑に巻き込まれては大変です。そこで少し早いですが、1時間前には列に並びました。まだ10名程度しかランナーはおらず、なんと最前列を確保!Aブロックだったので、まさに先頭から走ることができる位置です。
時間と共に集まり始めるランナー。周囲は先頭ということもあり、いかにも早そうな人ばかりに見えます。まさに“マラソンあるある”ですが、
「シーズン最初だから、とりあえず3時間切れれば」
「今回は楽しみたいから、3時間くらいかな」
「2時間45分は最低でも切りたいね」
なんて、かなりハイレベルな声も聞こえるほど。なるべく聞かないようにしますが、どうしても耳に入る言葉。マラソンは自分との戦い...そうは思っていても、つい萎縮してしまいます。
「自分だってサブ3を目指すランナーだ!十分に戦える!!」
そう自分に言い聞かせながら緊張を解し、いよいよスタートラインへの移動が開始。もはや、文字通りスタートまで“カウントダウン”の状況です。
大勢の応援、あるいは来賓の方々が見守る中を、ゆっくりと先頭に立って進む。列が乱れないように、先頭列のランナーはロープを持ち、そのまま横並びで歩きました。とても緊張するシーンなのですが、初めての体験が、かえって自分を奮い立たせてくれたようです。
■コースや天候変化を予測したペースコントロール
8:20。スタートを告げる号砲が鳴り響き、一斉にランナーがスタートしました。私は混雑に巻き込まれないよう、また脚の状態を確かめるために3:50/km程度で飛び出します。
計画したペースでしたが、最初の曲がり角までトップで走ることに。こちらのネットニュースでは、なんと中央で走る姿が写り込んでいました。初めての経験でしたが、わずかな時間でもトップを走るって気持ちいいですね。一気にテンションが上がりました。
マラソンで記録を狙うには、全体のペースコントロールが非常に大切。それは、これまでの経験から痛いほど感じていました。前半で攻めるのか、イーブンペースを維持するのか。あるいは、後半でペースアップという選択肢もあるでしょう。その中で私が選んだペースは、『前半で攻めて後半に備える』でした。その理由は、いくつかあります。
■オーバーペースを恐れず攻めた前半戦
私が選んだペースは4:00/km。ハーフまで、できる限りこのペースで粘ろうと考えました。そうすれば後半に向けて5分程度の余裕を持つことができます。
しかし過去のハーフマラソンは、今年3月に出場した『かつしかふれあいRUNフェスタ』での1時間28分が自己ベスト。必然的にこれを大きく上回るペースで走り、さらに以後も走り続けなければいけません。ここまでくれば、あとは自分を信じられるかどうか。攻めた結果どうなるかは、攻めてみた後にしか分からない。
そんなとき、3人のランナー集団が後ろから現れました。どうやら3:55〜4:00/km程度を維持して走っている様子。実はスタート直後から孤立して走っていたのですが、迷わずこの集団についていくことを決めました。予定より少しペースは速いものの、“ついていく”ターゲットがいると気持ちが楽になります。
沿道には切れることのない応援。いつものように「ありがとう!」と返す余力はありませんが、ときどき手を挙げて応えました。そして5km、10km…少しずつ集団も人数が増えていきます。10kmを過ぎると、ペースダウンするランナーも現れます。恐らく私のように“攻め”の前半を選んだのでしょう。少しでも気を抜くと、私もすぐに集団から離されてしまいそうです。時計などほとんど見ることなく、ただ集団の流れに遅れないように走り続けます。
「脚の疲労は?体幹は使えているか?」
オーバーペースと言ってもおかしくない速さを維持していますので、不安があったのかもしれません。常に自分の身体と対話しながら、一歩、また一歩と前へと進みます。
15kmを越えた辺り。いつしか集団は6人になっていました。すると、ここでペースが少し上がります。手元の時計を見ると3:50/km。それまで私も幾度か集団を前に出て引っ張っていたのですが、最後尾についていくのがやっとの状態に。そして最初の難関である九州大学伊都キャンパスへの上り坂を前に、集団から孤立してしまいました。
「これ以上は、ついていったら潰れてしまう」
情けないですが、集団のランナーとは実力が違うのだと認めざるを得ません。無理すれば、もう少しついていけたでしょう。心の何処かで、どこまで行けるか勝負したい気持ちもありました。しかし、サブ3という目標から遠ざかる結果になるかもしれません。そのとき、色んな思いが頭をよぎりました。
「家で待つ子どもたちに、頑張れば何だって出来ると教えたい」
「中学校の教え子たちに、自分も同じようにチャレンジしていると伝えたい」
「家族や仲間たちからの応援に結果で応えたい」
何より私自身が、サブ3という目標を達成することで努力が無駄ではなかったと信じたかったのかもしれません。追いつこうとする衝動を抑え、再び孤立することを選びました。
そして20km付近。約1km続く九州大学伊都キャンパスへの上り坂が現れました。事前にコース紹介動画で確認していたのですが、これが予想よりキツい。フォームが崩れてしまい、つい腰が下がってしまいます。とにかく上半身を使い、腕を振って走り続ける。すると、先ほどまで一緒だった集団が、折り返しポイントを回って走ってきました。
「思ったより離れていない」
なんとか4:00/kmを維持するよう踏ん張っていたため、思ったより集団との差は開いていませんでした。もちろん追いつくことは難しい状況ですが、“まだ戦えている”という気持ちが背中を押してくれます。
特に救いとなったのは、大勢の応援です。大学キャンパスということもあり、とても多くの大学生が声援を送ってくれていました。そして折り返しポイントを回ると、今度は下り坂を走りながら他ランナーの姿が見られます。サブ3のペースメーカーを探しましたが、残念ながら見つかりません。ちょっと不安になりますが、1km以上は離れているはずです。
■記録を狙うための位置取り
受付はホテルから徒歩1分。寒くはありませんでしたが、身体を冷やさぬようアームウォーマー&雨合羽を着用して向かいます。しかし気温は朝から20度近くあり、すぐにアームウォーマーは外しました。着用したまま走ったら、すぐに脱いで邪魔になると考えての判断です。
「記録を狙う以上、できるだけ前からスタートしたい。」
スタート直後の混雑に巻き込まれては大変です。そこで少し早いですが、1時間前には列に並びました。まだ10名程度しかランナーはおらず、なんと最前列を確保!Aブロックだったので、まさに先頭から走ることができる位置です。
時間と共に集まり始めるランナー。周囲は先頭ということもあり、いかにも早そうな人ばかりに見えます。まさに“マラソンあるある”ですが、
「シーズン最初だから、とりあえず3時間切れれば」
「今回は楽しみたいから、3時間くらいかな」
「2時間45分は最低でも切りたいね」
なんて、かなりハイレベルな声も聞こえるほど。なるべく聞かないようにしますが、どうしても耳に入る言葉。マラソンは自分との戦い...そうは思っていても、つい萎縮してしまいます。
「自分だってサブ3を目指すランナーだ!十分に戦える!!」
そう自分に言い聞かせながら緊張を解し、いよいよスタートラインへの移動が開始。もはや、文字通りスタートまで“カウントダウン”の状況です。
大勢の応援、あるいは来賓の方々が見守る中を、ゆっくりと先頭に立って進む。列が乱れないように、先頭列のランナーはロープを持ち、そのまま横並びで歩きました。とても緊張するシーンなのですが、初めての体験が、かえって自分を奮い立たせてくれたようです。
■コースや天候変化を予測したペースコントロール
8:20。スタートを告げる号砲が鳴り響き、一斉にランナーがスタートしました。私は混雑に巻き込まれないよう、また脚の状態を確かめるために3:50/km程度で飛び出します。
計画したペースでしたが、最初の曲がり角までトップで走ることに。こちらのネットニュースでは、なんと中央で走る姿が写り込んでいました。初めての経験でしたが、わずかな時間でもトップを走るって気持ちいいですね。一気にテンションが上がりました。
マラソンで記録を狙うには、全体のペースコントロールが非常に大切。それは、これまでの経験から痛いほど感じていました。前半で攻めるのか、イーブンペースを維持するのか。あるいは、後半でペースアップという選択肢もあるでしょう。その中で私が選んだペースは、『前半で攻めて後半に備える』でした。その理由は、いくつかあります。
- 速筋が多いため筋持久力に不安がある
- 後半に雨が降ったら失速する可能性がある
- 後半にアップダウンが増えてペース維持がキツくなる
- 後半は海沿いを走るため向かい風が強いかもしれない
■オーバーペースを恐れず攻めた前半戦
私が選んだペースは4:00/km。ハーフまで、できる限りこのペースで粘ろうと考えました。そうすれば後半に向けて5分程度の余裕を持つことができます。
しかし過去のハーフマラソンは、今年3月に出場した『かつしかふれあいRUNフェスタ』での1時間28分が自己ベスト。必然的にこれを大きく上回るペースで走り、さらに以後も走り続けなければいけません。ここまでくれば、あとは自分を信じられるかどうか。攻めた結果どうなるかは、攻めてみた後にしか分からない。
そんなとき、3人のランナー集団が後ろから現れました。どうやら3:55〜4:00/km程度を維持して走っている様子。実はスタート直後から孤立して走っていたのですが、迷わずこの集団についていくことを決めました。予定より少しペースは速いものの、“ついていく”ターゲットがいると気持ちが楽になります。
沿道には切れることのない応援。いつものように「ありがとう!」と返す余力はありませんが、ときどき手を挙げて応えました。そして5km、10km…少しずつ集団も人数が増えていきます。10kmを過ぎると、ペースダウンするランナーも現れます。恐らく私のように“攻め”の前半を選んだのでしょう。少しでも気を抜くと、私もすぐに集団から離されてしまいそうです。時計などほとんど見ることなく、ただ集団の流れに遅れないように走り続けます。
「脚の疲労は?体幹は使えているか?」
オーバーペースと言ってもおかしくない速さを維持していますので、不安があったのかもしれません。常に自分の身体と対話しながら、一歩、また一歩と前へと進みます。
15kmを越えた辺り。いつしか集団は6人になっていました。すると、ここでペースが少し上がります。手元の時計を見ると3:50/km。それまで私も幾度か集団を前に出て引っ張っていたのですが、最後尾についていくのがやっとの状態に。そして最初の難関である九州大学伊都キャンパスへの上り坂を前に、集団から孤立してしまいました。
「これ以上は、ついていったら潰れてしまう」
情けないですが、集団のランナーとは実力が違うのだと認めざるを得ません。無理すれば、もう少しついていけたでしょう。心の何処かで、どこまで行けるか勝負したい気持ちもありました。しかし、サブ3という目標から遠ざかる結果になるかもしれません。そのとき、色んな思いが頭をよぎりました。
「家で待つ子どもたちに、頑張れば何だって出来ると教えたい」
「中学校の教え子たちに、自分も同じようにチャレンジしていると伝えたい」
「家族や仲間たちからの応援に結果で応えたい」
何より私自身が、サブ3という目標を達成することで努力が無駄ではなかったと信じたかったのかもしれません。追いつこうとする衝動を抑え、再び孤立することを選びました。
そして20km付近。約1km続く九州大学伊都キャンパスへの上り坂が現れました。事前にコース紹介動画で確認していたのですが、これが予想よりキツい。フォームが崩れてしまい、つい腰が下がってしまいます。とにかく上半身を使い、腕を振って走り続ける。すると、先ほどまで一緒だった集団が、折り返しポイントを回って走ってきました。
「思ったより離れていない」
なんとか4:00/kmを維持するよう踏ん張っていたため、思ったより集団との差は開いていませんでした。もちろん追いつくことは難しい状況ですが、“まだ戦えている”という気持ちが背中を押してくれます。
特に救いとなったのは、大勢の応援です。大学キャンパスということもあり、とても多くの大学生が声援を送ってくれていました。そして折り返しポイントを回ると、今度は下り坂を走りながら他ランナーの姿が見られます。サブ3のペースメーカーを探しましたが、残念ながら見つかりません。ちょっと不安になりますが、1km以上は離れているはずです。

そしてハーフ地点を通過。結果的に、ほぼ予定していたペース通りのペースコントロールができました。ハーフマラソンの自己ベストを3分以上も上回っていますが、私の場合にはよくあること。むしろこのことが、
「ちゃんと実力はアップしているんだ」
と、疲労困憊ながら私に自信を持たせてくれました。まだ4:00/kmペースをほぼ維持しています。あとは、後半どこまで粘れるか。いつの間にか空は晴れ渡り、雨が降る様子などありません。むしろ太陽が顔を出し、気温が上がり始めているようです。
「雨ではなく、暑さとの戦いになるかもしれない。」
いくら前半で攻めたとはいえ、余裕でサブ3に届くほどのゆとりはありません。疲労具合いから見ても、恐らくペースは落ち始めるでしょう。ここからの後半戦こそ、福岡マラソンにおける“本当の勝負”となりそうです。
果たしてサブ3に届くのか...『レース後編』をお待ち下さい。
「ちゃんと実力はアップしているんだ」
と、疲労困憊ながら私に自信を持たせてくれました。まだ4:00/kmペースをほぼ維持しています。あとは、後半どこまで粘れるか。いつの間にか空は晴れ渡り、雨が降る様子などありません。むしろ太陽が顔を出し、気温が上がり始めているようです。
「雨ではなく、暑さとの戦いになるかもしれない。」
いくら前半で攻めたとはいえ、余裕でサブ3に届くほどのゆとりはありません。疲労具合いから見ても、恐らくペースは落ち始めるでしょう。ここからの後半戦こそ、福岡マラソンにおける“本当の勝負”となりそうです。
果たしてサブ3に届くのか...『レース後編』をお待ち下さい。
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