Running Writer

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“走る”フリーライター・三河の、ランニングブログです。日々のトレーニングやレースレポートなどを、ランニングを楽しむための情報を中心に発信中。仕事や家族などその他の情報は、別ブログ『いいでしょ?僕の人生』で綴っています。


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東京・日本橋から京都までを繋ぐ東海道には53の宿場が設けられ、これを「東海道五十三次」と呼びます。歌川広重の浮世絵でも有名なため、ご存知の方は多いことでしょう。しかし「東海道五十七次」については、ご存知ないという方が多いかもしれません。実は私自身も、今回出場した大会で初めて知りました。その大会の名は、「東海道五十七次ウルトラマラニック【飛脚】」。京都からさらに大阪へ4つの宿場を加えた約580kmの道程を、8/11〜16の6日間、ステージレースで走る大会です。

お盆休み真っ只中、外を歩くだけで汗ばむような夏場です。まさに“超長距離”と呼ぶに相応しい距離に加え、気温もランナーにとって過酷なものと言えるでしょう。結論から言ってしまえば、残念ながら私は全ステージを走り切ることが出来ませんでした。しかし課題が多く見つかり、また貴重な経験となった本大会について、少し長いですがブログに書き残しておこうと思います。

■1st STAGE:上野→大磯
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スタート地点は、上野公園にある「駅伝の碑」。そもそも“駅伝”のはじまりは約100年前、東京-京都間の508kmを23区間で走った大会と言われています。駅伝の部が設けられた本大会には、まさにピッタリな場所です。ここに「駅伝の碑」があること、知らなかったという方が多いのではないでしょうか?
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1st STAGEは、上野から大磯への約77.5km。気温は高いものの、太陽は雲に隠れて走りやすい気候でした。まずは初日ということで様子見ですが、あまりゆっくり走ってもいられません(その理由は後ほど・・・)。特に前半は都市部を通過するため、信号停止が多く思うように走れない状況。6:00/km程度のペースを目安にしながら、しばらくトップ集団の中で走っていきました。
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品川へ着くころには、もはや周りにランナーの姿など見えませんでした。前を走るランナーは速過ぎて着いていけず、後続のランナーは信号待ちなどで離れてしまったようです。それ以降、なんとゴールまでずーっと1人旅。しかし、いつもは通らないちょっと裏手の道などを走るため、周囲を見ているだけで楽しめます。やがて走り続けると、程なくして東京から神奈川県へ。まだまだ、これから静岡、愛知…と都道府県を通過していきます。神奈川県は、まさにその“第一歩”です。

しかし保土ヶ谷を過ぎた辺りから暑さにやられ、途中で何度か嘔吐。とりあえず固形物を避け、水分だけで栄養を補給しながら走ることに。後から聞いたところ、やはり本大会では熱中症などに苦しめられたランナーが多かったようです。真夏...ですからね。ただ、幸いにも終盤に差し掛かったタイミングだったのでゴールは出来そう。さらに途中、権太坂を越えた付近で知り合いのランナーが応援に駆けつけてくださり、気持ちがとても楽になりました。「焦らない」「無理しない」と言い聞かせながら、自分なりの走りを続けていきます。
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1人旅になると、エイドを訪れるのが楽しみになるもの。スタッフの方々だけでなく、リレーの部で走り終えたランナーもいました。笑顔で声を掛けてくださり、ついつい談笑しながら長居してしまいます。エイドにはコーラやスポーツドリンク、水、お茶など飲み物が充実。またお菓子など、その土地の美味しい食べ物も用意されていました。
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18時半頃から日が沈みはじめ、ハンドライト&バックライトを装着して走ること数km。19時を少し過ぎたあたりで、1日目のゴールである「大磯運動公園」に到着しました。ゴール会場には、またもや知り合いのランナーが(他ランナーのサポート&応援で)いて談笑。人との繋がりに感謝です。

ゴールタイムはまさに予定通り。しかし、なんと1st STAGEを2位でゴールしていたとのこと。この順位には驚きましたが、とらわれずマイペースに。まだ6日間のうち、たった1日を終えただけです。まだ他ランナーが走っている中ではありましたが、この日は夕食を済ませて早めに就寝。2日目へと備えます。

■2nd STAGE:大磯→丸子宿
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2日目、目を覚ましてまずは疲労チェック。朝食がてら軽く走ってみると、痛みや疲れはほとんど感じませんでした。突然の嘔吐によって心配していた体調も、特に問題ない様子。朝食はしっかり食べられ、むしろ調子の良ささえ感じられました。

2st STAGEは、大磯から丸子宿への117.5km。静岡県へと入ります。2日目にして100km超という、他に類を見ない驚きの大会。しかも静岡までの間には、あの“箱根越え”が待っています。恐らく6日間のうち最もアップダウンが激しく、コース上には未舗装路もあるはず。何より優先されるのは『翌日に疲労を残さないこと』と捉え、15時間半を目安のゴールタイムとして走り始めました。
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この日もトップ集団でのスタートになりました。ペース配分は人それぞれ。「ちょっと早過ぎるのか?」という懸念はありつつも、自分の計画したペースを信じて走っていきます。特にこの日はアップダウンばかりなので、できるだけ涼しい朝、そして平地の多いうちに余裕を持って行きたいと考えていました。

やがて訪れた小田原で目に飛び込んできたのは、本大会で初めての海。なんとなく潮の香りがします。朝から汗だくになるほど暑いので、コースを外れて飛び込みたいくらいです。
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2nd STAGEで個人的に苦しめられたのが、峠の石畳。ただのアップダウンでも厳しいのに、足場が不安定で上手く走れません。しかも苔が生えていて滑ってしまい、余計な筋力を使っている感じでした。下りでもスピードは出せず、とにかく安全第一に...。
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やっとの思いで峠を抜けると、チェックポイント「箱根関所」に到着しました。本当ならゆっくり観光したい名所ですが、そうもいかないのが辛いところ。しかしここで、意外な事実に気付きます。なんといつの間にか、飛脚部門(=ソロの部)でトップに立っていました。

とはいっても、先頭ランナーを抜いた覚えはありません。どうやら、知らぬ間にコースロストしたところを抜いていたようです。しかしここで、トップを死守しようなんて思いを抱いてはダメ。そこはこらえて、自分のペースを貫かなければいけません。とはいえ、結局は終盤でまた抜かれてしまうんですが…
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約88kmの最終チェックポイントを通過すると、こんなに素晴らしい景色が。しかしランナーにとって、ここは非常に過酷なポイントとなりました。だって何kmにもわたり、日陰のない海沿いをひたすら走るんですから。もちろん、コンビニや自販機などありません。ハイドレーションへ多めに水分を補給しておいたのは幸いでしたが、暑さは少しずつ確実に体力を奪っていきました。

…今思い返せば、ここで暑さにやられたのかもしれません。
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2st STAGE最終難関となった『薩埵峠』。峠ということで明かりもないため、日が沈む前には到着したいと思っていました。予定通りに辿り着くと、なかなか素敵な景色が。まぁ、この景色を楽しむために、ものすごい急坂を登ったんですけどね。

薩埵峠を下れば、あとはゴールへ向けて静岡の街を走っていきます。しかしそんなタイミングでアクシデント勃発。汗だくになり暑いはず...なのに、寒気でカラダが震え始めました。どうも熱が出ているようで、気だるくカラダが動きません。熱中症なのか、風邪なのか…。

動けなくなってしまったので、とりあえず回復を試みます。この時点でトップ選手には抜かれ2位という状態でしたが、順位など関係なし。コンビニで水分&栄養ドリンクを飲み、購入した氷を首に当てて座ったまま仮眠しました。20分ほど経って起きると、なんとなく少しだけカラダが楽になった様子。とりあえず動くことはできるので、あとは歩いたり走ったりしながら進みました。水分はこまめに補給していたのですが、足りなかったのでしょうか。今思えばレース前々日から体調不安はあり、そこに原因があったのかもしれません。
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ヘロヘロながら、なんとか2位のままゴールに到着!予定よりやはり遅くなりましたが、15時間50分弱で走り切れました。体調不良が後半だったのと、序盤で余裕を持てたのが良かったようです。しかし日が暮れてからは、本当に1kmが長く感じました。チェックポイント毎にFacebookで投稿、そして速報がネット公開されていたこともあり、気がつけば、なかなかゴールしない状況を見て

「大丈夫か?」
「何かあった?」

というメッセージがいくつも。心配をお掛けしたことが申し訳ないと共に、多くの方々に支えられているのだと有り難い気持ちでいっぱいです。

完走後はシャワーを浴びて夕食。食欲はあるもののカラダが熱くでボーッとしており、熱が上がっているようでした。枕元に麦茶を置いて、持参していた薬を飲み就寝。あとは、朝起きて回復していることを願うしかありません。ちなみに2nd STAGE、ゴールしたのは21名(57名中)のみでした。

■3nd STAGE:丸子宿→DNF
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朝起きると熱は下がっていました。暑さなど関係なく寝袋にくるまって寝たのですが、それで汗をいっぱいかいたのが良かったようです。なぜか起きてからずっと両手が痺れていたのですが、とにかく3rd STAGEもスタートラインに立てました。一安心です。

3日目はいきなり上り坂。そして山の中へ...というコース。ちょっとしたトレイルコースは、疲れた身体にこたえます。予定では2nd STAGEと同程度のペースで走る予定でしたが、体調を考慮して制限ギリギリのペースで走り出すことに。集団がバラけ、ほぼ最後尾になっても焦らず...というより、焦ろうとしても走れないのが本音でした。
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山から出て走ったり歩いたりを繰り返していたら、大きな白蛇がダウンしていました。目立った外傷はないので、暑さにやられてしまったのか?もしそうなら、お仲間ですね。踏まれないように端へよけてやりたかったのですが...触れなくてゴメンなさい。
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島田宿を超えて金谷宿へ。第1チェックポイントである『石畳茶屋』に到着しました。なんと制限時間の2分前というギリギリタイム...。余裕だと思っていたら、チェックポイント前に急坂が現れて、危なくタイムオーバーするところでした。

と、私の東海道五十七次はここでお終い。タイムで見ればまだ進むことは出来ますが、潔くリタイアを決断しました。実は島田宿に入った辺りから決めていたのですが、ただ、制限時間での関門アウトは避け、

「せめて自らの意思でリタイアを選択したい」

ということで第1チェックポイントを目指していました。やはり体調は芳しく無く、歩いても走ってもフラフラ。蛇行しているのが自分でも分かり、体調を優先しての決断です。正直に言って、脚は残っていました。痛みはありませんし、疲労も2日間走ったにしては少ないもの。しかしそれとは関係なく、身体に力が入らないのです。

もし無理して倒れでもすれば、運営スタッフの皆さんに迷惑が掛かります。そして何より、家族は心配することでしょう。これから控えているレースにも影響を与えかねませんし、それは走ることを仕事にしている私にとって重要な問題です。

「進んでいたら、いつか回復するのではないか」

もちろん、そんな思いもありました。実際、歩いたり走ったりを繰り返すことで、次のチェックポイントまでは行ける気がしていたのも事実です。でも、それは単なる悪あがき。自分の実力がそこまでなのだと認め、少しでも早く回復させて次へ進むことを優先させようと決めました。こうしてブログを書いていても悔しい思いが募りますが、仕方ありません。いくら走力が身についたところで、体調管理も含めての実力。3日間・計約225km、3nd STAGEにてリタイアです。

■体力、筋力、そして睡眠・・・
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リタイア後はゴール地点までバスで送って頂き、荷物を持ってそのまま帰りました。本大会ではリタイアしても、また次ステージを走ることができます。中には休んで回復させ、リスタートするランナーも少なくありませんでした。

しかし私の場合、リタイアの原因は疲労や痛みではなく体調。そのため、しっかり休んで回復させたいと考えました。また、“6日間すべての行程を走り通す”ことが目標だったため、リタイアした時点でそれは叶いません。例えば毎日40〜50kmでリタイアを繰り返せば、連日走ることはできるでしょう。あるいは今回もSTAGE4・5をパスして、ゴールだけ走るという選択もできました。しかしそれは、私の抱いていた目標に対して意味のないもの。それなら早く回復させ、また同じ悔しさを味わわないためにトレーニングに取り組もうと考えたのです。もちろん、自分勝手な私を応援し送り出してくれた家族に対して、リタイアしたのだから帰って一緒に過ごしたいという思いもありました。

「STAGE1・2で飛ばし過ぎたんじゃないの?」

こういう声もありましたが、私はそうは思っていません。確かに2位という順位こそ想定以上でしたが、レースペースとしては予定通り。むしろ自分にとってはベストな流れだったと考えています。その理由は、“睡眠”にありました。
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本大会はステージ毎にゴール地点でテントを張って夜を過ごします。テントは大会側から借りることもできますが、私は少しでもゆっくり休むため持参しました。寝袋にマット、そしてエア枕も用意。実はレースでのテント泊って初めての経験だったのですが、なかなか快適だったと思います。

ここで、ゴール後の流れをざっくりご紹介しましょう。
  1. 預け荷物を受け取る
  2. テントを張る
  3. シャワーを浴びて着替える(シャワーがなければデオドラントシート使用)
  4. ストレッチ&マッサージ
  5. 夕食を食べる
  6. サプリメント補給(『カツサプ』等)
  7. 翌日のレース準備
  8. ストレッチ&マッサージ
  9. 寝る準備(寝袋、トイレetc)
  10. 就寝
掛ける時間は人によって異なりますが、私の場合はこれで1時間半ほど。例えば初日、私はゴール地点へ19時過ぎに到着しています。上記の流れで就寝したのは21時半頃。これに対し、本大会は毎日以下のようなスケジュールでスタートとなります。
  • 3:30〜朝食
  • 4:30〜ブリーフィング
  • 5:00スタート
テントは自分たちで撤去しますから、逆算すると起床は3時頃。つまり、2nd STAGEに向けて取れた睡眠時間は5時間半ほどということになります。一見すると十分に思われることでしょう。しかし、これはあくまで初日の話。2nd STAGEではゴール到着が21時少し前。寝る時間は22時半頃でしたから、単純計算で睡眠時間が4時間半だったということになります。

さらに眠ると言っても、まだランナーが走っている時間帯。周りは明るく、音や声も聞こえています。私はどちらかと言うとすんなり眠れましたが、「眠れなかった」という方は多かったことでしょう。そうなれば、実質的な睡眠時間はさらに減ってしまうのです。

私は眠気に弱いことを自覚しています。走っている最中でも、すぐに眠くなってしまうんです。今回も2日目にして、やはり後半は睡魔に襲われました。そして“睡眠不足”は、ランニングのパフォーマンスにも大きく影響するもの。ですから、できるだけ体力を温存しながらも、十分に睡眠時間を確保できるタイムで走る必要がありました。その意味で、リタイアという結果にはなりましたが、タイムの面では自分にとってベストだったと今でも考えています。

「そんなに眠気に弱いなら、ステージレースとか走るなよ…」

って話なんですけどね。カフェイン抜きなど方法はいろいろありますが、これは私にとって1つの大きな課題だと認識しています。

■リタイアから数日経って…
ちょうど昨日(8/16)、本大会は全ステージが終了となりました。気になる完走率は…というと、1人で走る『飛脚』部門は、1名が全ステージを走破されたようです。これだけで、大会の苛酷さが分かります。しかし完走者がいるということは、走り切ることが不可能なレースではないということ。気持ちを新たに、もっと鍛えなおさなければと思います。もう、同じような悔しさは味わいたくありませんから。
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即断で帰宅しゆっくり休んだのが良かったのか、体調は回復しています。まだ全快とまではいきませんが、翌日に完全休養した後、一昨日は10km、さらに昨日は28kmをLSDしました。昔の私なら、こんなにすぐ走れるだけの脚は残っていなかったでしょう。走力という面なら、少しは成長した気がします。

暑さ対策については、頭を悩ませるところ。私は日頃から夏場でも日中に走るようにしており、30度を超える炎天下でも20kmくらいは水分を含む補給ゼロで走れます。周りからも「暑さに強い」と良く言われているほど。そのうえで、本番ではかなり慎重に水分補給を行なっていました。どこに原因があったのか...これを解決しないと、次回また同じことになりかねません。先に書いたように、そもそもの体調に問題があった可能性もあります。

3日間ではありましたが、大会そのものは非常に楽しませて頂きました。例えば都内を走るのでも、いつも走らない旧東海道では「こんな場所があるんだ」と発見がたくさん。そして神奈川、静岡へと進む道中では多くの自然に溢れたコースを走ることができ、他ランナーとのコミュニケーションもありました。
そして、大会運営スタッフの皆さま。連日、睡眠時間が少ない中で動き回ってくださり、安全にレースを楽しめたのは皆さまのお陰にほかなりません。特に後半戦は時間から見て、「全ランナーが夕食を終えたら、すぐ朝食の用意」なんてこともあったのではないでしょうか。

次回は2020年に開催されるとのこと。「完走できる」と自信を持って言えるだけのトレーニングを積み、必ずやエントリーのうえリベンジします。まず年内のチャレンジは、
  • 10/9〜10:第24回日本山岳耐久レース「長谷川恒男CUP」(トレイル71.5km)
  • 11/18〜21:沖縄本島1周サバイバルラン2016(400km)
の2つです。他にもウルトラマラソンやトライアスロンなど、各種レースにエントリー済み。1つ1つ課題をクリアしながら、より大きな挑戦ができるよう研鑽していきます。

改めて、応援ありがとうございました!!
 
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