先日、3日間にわたって開催された『沖縄本島1周サバイバルラン2016』。結果的には、残念ながら約111kmのチェックポイントでDNFとなりました。来年に向けた備忘録として、大会での出来事や感想など残しておきます。
ALTRAシューズとワラーチのどちらで走るか。ゆっくり長く走ると考えれば、ワラーチはとっても楽。しかし400kmという距離に不安もあり、おとなしくシューズにしておくべきか。が、練習と通じてALTRAは足底筋の疲労が出やすく、先日走った『秋田100km』でも不調が出ていました。
あくまで記録などこだわらず、ゆったり完走を目指す。そのために選んだのは、ワラーチでした。直前になって再び悩みたくないので、沖縄にはシューズを持たずルナサンダルで移動。これが、思いもよらぬトラブルになるとは知らずに...
しかも、紐とソールを繋ぐ部分が行方不明。壊れたという事実からちょっとした錯乱状態となり、何度もワラーチを履いては壊れていることを確認する謎の行動をしていました。だってワラーチが壊れたら、そもそもレースが走れないじゃありませんか。
とにかく気持ちを落ち着けるため、とりあえずそのまま食事へ。いつも行く沖縄そば屋が営業していなかったので、これまたよく行く『山将』に伺いました。本場の沖縄料理、そして現地で飲むオリオンビールは最高!...でも、頭の中はワラーチのことでいっぱいです。
「とにかく、コンビニで買えるものでなんとかしよう」
すでに夜ですから、コンビニ以外にお店は開いていません。スポーツ用品店など調べましたが、ランニングシューズは販売されていない様子。コース上にVibramFiveFingers専門店『ハダシストア』があることを思い出しましたが、レース中にフィッティング&購入する時間、そして自宅に持っているビブラムシューズを買うという、間違いなく妻に怒られる行為は避けたいところ。食事を終えて、さっそく近くのファミリーマートへ行きました。
こちらが、修復後のワラーチ。右側(左脚)の黄色いストッパー部分が破損&紛失したので、代わりにヘアゴムを紐へ巻きつけ、それを瞬間接着剤で固めてストッパーにしました。引っ張って抜けないことを確認。しかしサイズがフィットしていないので、盛り上がった部分がソールを押し上げます。実際に履いて歩いてみると、紐が取れることはないのですが、やはり鼻緒が親指・人差し指の間を常に押してくるプレッシャーが。
「とりあえず応急処置したけど、果たしてこれで走れるのか・・・」
そんな不安は持ちつつも、しかしレースは翌日。怪我するくらいならDNSという選択肢もありますが、やっぱり走りたい。ホテルへ戻って支度を整え、起きてから決めようと眠りました。
◼30度の日中をゆったりペースで
朝起きると、ホテルで朝食を済ませてスタート会場へ。結局、修復したワラー地で走ってみると決めました。正直に言って気分が沈んだままでしたが、会場で他ランナーと喋っていると、だんだん気持ちが盛り上がるから不思議です。半数以上は知った顔で、中には毎年このレースでのみ会う方も。ちょっとした同窓会みたいな雰囲気ですが、これが本大会の魅力でもあります。
とはいえ自己修復したワラーチですから、いつ、何が起きるか分かりません。特に気をつけたいのが地面との摩擦。修復はコンビニで売っているヘアゴムで行なっていますから、耐久性は期待できません。とにかく測定部に衝撃を与えない、そして地面に足を擦らないように、ゆっくりフォーム重視で走りました。
10kmくらい走ったところで、初めて本大会に出場しているYさん(男性)&Hさん(女性)に合流。ちなみに今回は『MEDIA』ゼッケンを着用し、取材を兼ねて走っていました。詳しいレースレポートはメディアに掲載予定ですので、そちらもお楽しみに!
11月とはいえ、沖縄はまだまだ暑い...。スタート初日の気温は、なんと30度にも及びました。暑さには強い方ですが、それでも涼しい日と比べればどんどん体力を奪われます。さらに熱中症や脱水などの危険性も高まり、実際、今回そういった症状でリタイアされた方も多かったようです。合流した2人はそうしたことも踏まえ、できるだけペースを抑えて走るとのこと。これには私も大賛成だったので、そこから一緒に走らせてもらいました。
最初のチェックポイントである「残波岬」(約30km地点)では、冷たい沖縄そば’&ノンアルコールビールを。これが美味い!8:00/km程度のペースで、予定通りの到着です。
しかし実はここに辿り着くまでに、一緒に走っていた2人がどちらも熱中症に。Yさんが「吐きそう」と言い出したのを皮切りに、これだけ暑いにも関わらず「寒い」と訴えるようになっていました。そして私もやはり鼻緒部分のプレッシャーが大きく、やがて痛みが強くなり始めます。これをかばうことによって、太腿や膝裏、脹脛などにも右足のみ違和感が出てきました。
体調が心配だったお二人も「行くか!」と進む姿勢を見せてくれたので、そのまま一緒に残波岬を出発。すると、すぐに綺麗な夕焼けが。その見事な景色は、ついに訪れるオーバーナイトランの訪れを告げています。
本大会は163km地点に関門があり、ここを24時間で通過する必要が。ここまでのペースは、それを考えてギリギリ程度です。加えて私は右足が、一緒の2人は体調が崩れてきている状況。心に不安を抱きつつ、しかし気持ちを強く持って先へと進みます。
◼高温多湿なオーバーナイトラン
6時を回ると周囲は真っ暗。いくら暑くても、季節は冬なんですね。写真は、毎年チェックする看板。まだ“見せ見せおじさん”が出没するようです。まだ遭遇したことはありませんが...
恩納村、そして名護へ。夜は比較的明かりの多い場所を通ります。煌煌と明かりのついた居酒屋は、思わず吸い込まれそうになります。それにしても『おんなまつり』って...もちろん恩納村から名付けられているのでしょうが、敢えてひらがな表記というのがナイス。どんな祭りなのか気になりますね。入りませんけど。
熱中症気味だったお二人は、なんとか体調を取り戻してきました。私はむしろ走るたびに右足が棒のように変化していくのですが、左足と上半身をしっかり使って走ります。この辺、最近のトレーニングと改善が活きたなと思います。
気持ちは元気なので、3人で会話しながら進んでいきました。予想外だったのは、思いのほか夜になっても気温が下がらなかったこと。それどころか、海沿いはモヤがかかるほど多湿。尋常じゃないレベルの汗が吹き出し、こまめな水分補給が必要です。10km毎を目安に休憩しつつ、まず目指したのは名護。
「牛丼…食べたいよね。調べたら、名護にすき家があるよ」
こういうちょっとした目標が、辛いときは大きなモチベーションになるものです。まして本大会では、ほとんどの食事がコンビニ。しかもコース上には、ローソンとファミリーマートの二択のみ!おにぎりや弁当など、何度も寄ればどうしても飽きてしまいます。
約80km地点の名護に到着したのは、真夜中の0時手前。80kmなのに、すでに100km以上は走ったかのような疲労感...なんでしょう。足の痛みはもちろん、やはりオーバーナイトランは精神的な疲労が大きいように感じます。
ここでは、もちろん『すき家』にピットイン!これがとにかく美味しい。最近はコンビニ弁当などもクオリティ上がっていますが、やはり違います。温かい食事って、人を幸せな気分にさせてくれますね。
実は昨年、トラブルに見舞われてリタイアしたのが名護でした。今回は足こそ痛むものの、気持ちと体力は十分に残っています。昨年の悔しさを思い返しつつ、真夜中の名護を後に走る。この時点で163km関門は非常に厳しい状態でしたが、とにかく前に進むのみ。少なくとも昨年の自分を越えられるのだということを考えると、まだ80kmなのに嬉しくなります。
◼ワラーチを脱いで裸足で走る
すき家を出てしばらくすると、たどり着いたのが『美ら海水族館』のある国営沖縄記念公園。まぁ...真っ暗ですよね。ここでちょうど100kmくらい。一応、3人で記念撮影しておきました。わざわざハンドライトで照らして記念撮影したのは、私たちだけかもしれません。この時点でペースが遅くなっているのですが、だからと言って気分まで落ちないように。どんなレースでも“楽しむ”ことを忘れないのが、私のモットーです!
やがて空が明るくなってきました。歩いたり走ったり...途中で出会った通称・非常勤さんを吸収(笑)もう1人の女性ランナーが遅れ始めたので、離れすぎないように距離を確認しつつ、でも止まらないようにして進みます。と、ここでずっと一緒だったYさん。どうやら眠気がピークに達したようで、突然、まるで修学旅行中の男子かのようにこう言い出します。
「なんかさ、好きな女子のタイプ的な話でもしようよ!」
何を隠そう、Yさんも“レースは楽しむ”派。しかし既婚者3人でこの話題って、盛り上がるのでしょうか?...なんていう不安は、すぐに吹き飛びました。もう、3人でゲラゲラ笑いながら何km進んだでしょうか。話は過去の恋愛なんかにまで発展し、むしろ学生時代以上に盛り上がったような気がします。なんとなくどこかで非常勤さんは先に走り去る気がしていたのですが、結局、ずっと一緒に喋っていました。もう、眠気とか関係ありません。
しかしその裏で、私は足が限界に。何度も修復を繰り返しながら履いていたワラーチも、ヘアゴム部分がボロボロになってしまいました。そのため足底部への刺激もどんどん強まり、圧迫によるものか、指先が痺れて感覚がなくなっています。
「こりゃあダメだ」
ペースを考えても、すでに163kmの関門はほとんど不可能(5:00/km切ってギリギリ)。そうなると、次の約111km地点にあるチェックポイントでのリタイアが濃厚でした。そんなタイミングで収容車が訪れ、
「大丈夫ですか〜?」
と声をかけられます。その場は大丈夫と伝えて去って行きましたが、止まってしまえば強制的に収容されてしまうかもしれません。そのため、ここから少しずつ裸足で走るという選択を取り入れました。ちょっとゴツゴツしたアスファルトは、お世辞にも裸足で走りやすいものではありません。しかしワラーチを履いている際のプレッシャーがないため、開放的な感じがして気持ちいい。裸足で走り、たまに再びワラーチを履く。それを繰り返しながら、結局は裸足オンリーで走るというレース展開。足の裏は真っ黒になりますが、普段から“裸足ラン”を取り入れている成果なのか、足裏を怪我するようなことはありませんでした。
◼レースの終了
そして辿り着いた、約111kmのチェックポイント!この時点で、すでに19時間半も走っていたんですね。関門までは52km、走れない距離ではなかったでしょう。しかし時間は残り4時間20分を切っており、とても間に合うものではありません。『収容されるまで進んでみる』という選択肢もありましたが、無理せず、一緒に走った他ランナーとともに潔くリタイアすることにしました。その後、収容車での何ともいえない部室のような臭いは忘れられません...。
こうして、今年の『沖縄本島1周サバイバルラン』は終了。例年と比べても、暑さなどのためか序盤でのリタイアが多かったようです。結果的には49名中、わずか8名のみの完走という形でした。さすがサバイバル!でも、だからこそチャレンジする価値があると思っています。去年は80km、今年は111km...果たして来年はどうなるか。何年かかっても、必ずや完走してみせます。
レース中は多くのスタッフに支えられ、また、SNSでもたくさん応援していただきました。そして一緒に走った仲間がいたからこそ、最後まで楽しい気持ちを忘れることなく、笑顔で走れたのだと思います。心より感謝!結果は不甲斐ないものでしたが、これからも挑戦し続けますので、是非とも見守っていて頂ければ幸いです。
次は12/4(日)『湘南国際マラソン』を、いつもと違う仮装(?) で走ります。事情によりファンランですが、これまた楽しみ。ウルトラマラソンもいくつかエントリー済みですが、ここから暫くはフルマラソンに照準を絞ってトレーニングしていきます!
◼︎完走を目指すシューズ選び
「よし、ワラーチで走ってみよう!」
あくまで記録などこだわらず、ゆったり完走を目指す。
◼︎走れない!?前夜の不吉なトラブル
沖縄には前日夜に入りました。
...しかし
ホテルにチェックインして晩御飯へと向かう道中。意気揚々と歩いていたところ、いきなりつま先が地面に擦れました。何が起きたかよく分からず、暗闇だったのでそのまま2〜3歩...おかしい。立ち止まってiPhoneのライトで足元を照らすと、
ワラーチ、壊れました。鼻緒部分がソールから抜けています。
しかも、紐とソールを繋ぐ部分が行方不明。壊れたという事実からちょっとした錯乱状態となり、何度もワラーチを履いては壊れていることを確認する謎の行動をしていました。だってワラーチが壊れたら、そもそもレースが走れないじゃありませんか。
とにかく気持ちを落ち着けるため、とりあえずそのまま食事へ。いつも行く沖縄そば屋が営業していなかったので、これまたよく行く『山将』に伺いました。本場の沖縄料理、そして現地で飲むオリオンビールは最高!...でも、頭の中はワラーチのことでいっぱいです。
「とにかく、コンビニで買えるものでなんとかしよう」
すでに夜ですから、コンビニ以外にお店は開いていません。スポーツ用品店など調べましたが、ランニングシューズは販売されていない様子。コース上にVibramFiveFingers専門店『ハダシストア』があることを思い出しましたが、レース中にフィッティング&購入する時間、そして自宅に持っているビブラムシューズを買うという、間違いなく妻に怒られる行為は避けたいところ。食事を終えて、さっそく近くのファミリーマートへ行きました。
こちらが、修復後のワラーチ。右側(左脚)の黄色いストッパー部分が破損&紛失したので、代わりにヘアゴムを紐へ巻きつけ、それを瞬間接着剤で固めてストッパーにしました。引っ張って抜けないことを確認。しかしサイズがフィットしていないので、盛り上がった部分がソールを押し上げます。実際に履いて歩いてみると、紐が取れることはないのですが、やはり鼻緒が親指・人差し指の間を常に押してくるプレッシャーが。
「とりあえず応急処置したけど、果たしてこれで走れるのか・・・」
そんな不安は持ちつつも、しかしレースは翌日。怪我するくらいならDNSという選択肢もありますが、やっぱり走りたい。ホテルへ戻って支度を整え、起きてから決めようと眠りました。
◼30度の日中をゆったりペースで
朝起きると、ホテルで朝食を済ませてスタート会場へ。結局、修復したワラー地で走ってみると決めました。正直に言って気分が沈んだままでしたが、会場で他ランナーと喋っていると、だんだん気持ちが盛り上がるから不思議です。半数以上は知った顔で、中には毎年このレースでのみ会う方も。ちょっとした同窓会みたいな雰囲気ですが、これが本大会の魅力でもあります。
とはいえ自己修復したワラーチですから、いつ、何が起きるか分かりません。特に気をつけたいのが地面との摩擦。修復はコンビニで売っているヘアゴムで行なっていますから、耐久性は期待できません。とにかく測定部に衝撃を与えない、そして地面に足を擦らないように、ゆっくりフォーム重視で走りました。
10kmくらい走ったところで、初めて本大会に出場しているYさん(男性)&Hさん(女性)に合流。ちなみに今回は『MEDIA』ゼッケンを着用し、取材を兼ねて走っていました。詳しいレースレポートはメディアに掲載予定ですので、そちらもお楽しみに!
11月とはいえ、沖縄はまだまだ暑い...。スタート初日の気温は、なんと30度にも及びました。暑さには強い方ですが、それでも涼しい日と比べればどんどん体力を奪われます。さらに熱中症や脱水などの危険性も高まり、実際、今回そういった症状でリタイアされた方も多かったようです。合流した2人はそうしたことも踏まえ、できるだけペースを抑えて走るとのこと。これには私も大賛成だったので、そこから一緒に走らせてもらいました。
最初のチェックポイントである「残波岬」(約30km地点)では、冷たい沖縄そば’&ノンアルコールビールを。これが美味い!8:00/km程度のペースで、予定通りの到着です。
しかし実はここに辿り着くまでに、一緒に走っていた2人がどちらも熱中症に。Yさんが「吐きそう」と言い出したのを皮切りに、これだけ暑いにも関わらず「寒い」と訴えるようになっていました。そして私もやはり鼻緒部分のプレッシャーが大きく、やがて痛みが強くなり始めます。これをかばうことによって、太腿や膝裏、脹脛などにも右足のみ違和感が出てきました。
体調が心配だったお二人も「行くか!」と進む姿勢を見せてくれたので、そのまま一緒に残波岬を出発。すると、すぐに綺麗な夕焼けが。その見事な景色は、ついに訪れるオーバーナイトランの訪れを告げています。
本大会は163km地点に関門があり、ここを24時間で通過する必要が。ここまでのペースは、それを考えてギリギリ程度です。加えて私は右足が、一緒の2人は体調が崩れてきている状況。心に不安を抱きつつ、しかし気持ちを強く持って先へと進みます。
◼高温多湿なオーバーナイトラン
6時を回ると周囲は真っ暗。いくら暑くても、季節は冬なんですね。写真は、毎年チェックする看板。まだ“見せ見せおじさん”が出没するようです。まだ遭遇したことはありませんが...
恩納村、そして名護へ。夜は比較的明かりの多い場所を通ります。煌煌と明かりのついた居酒屋は、思わず吸い込まれそうになります。それにしても『おんなまつり』って...もちろん恩納村から名付けられているのでしょうが、敢えてひらがな表記というのがナイス。どんな祭りなのか気になりますね。入りませんけど。
熱中症気味だったお二人は、なんとか体調を取り戻してきました。私はむしろ走るたびに右足が棒のように変化していくのですが、左足と上半身をしっかり使って走ります。この辺、最近のトレーニングと改善が活きたなと思います。
気持ちは元気なので、3人で会話しながら進んでいきました。予想外だったのは、思いのほか夜になっても気温が下がらなかったこと。それどころか、海沿いはモヤがかかるほど多湿。尋常じゃないレベルの汗が吹き出し、こまめな水分補給が必要です。10km毎を目安に休憩しつつ、まず目指したのは名護。
「牛丼…食べたいよね。調べたら、名護にすき家があるよ」
こういうちょっとした目標が、辛いときは大きなモチベーションになるものです。まして本大会では、ほとんどの食事がコンビニ。しかもコース上には、ローソンとファミリーマートの二択のみ!おにぎりや弁当など、何度も寄ればどうしても飽きてしまいます。
約80km地点の名護に到着したのは、真夜中の0時手前。80kmなのに、すでに100km以上は走ったかのような疲労感...なんでしょう。足の痛みはもちろん、やはりオーバーナイトランは精神的な疲労が大きいように感じます。
ここでは、もちろん『すき家』にピットイン!これがとにかく美味しい。最近はコンビニ弁当などもクオリティ上がっていますが、やはり違います。温かい食事って、人を幸せな気分にさせてくれますね。
実は昨年、トラブルに見舞われてリタイアしたのが名護でした。今回は足こそ痛むものの、気持ちと体力は十分に残っています。昨年の悔しさを思い返しつつ、真夜中の名護を後に走る。この時点で163km関門は非常に厳しい状態でしたが、とにかく前に進むのみ。少なくとも昨年の自分を越えられるのだということを考えると、まだ80kmなのに嬉しくなります。
◼ワラーチを脱いで裸足で走る
すき家を出てしばらくすると、たどり着いたのが『美ら海水族館』のある国営沖縄記念公園。まぁ...真っ暗ですよね。ここでちょうど100kmくらい。一応、3人で記念撮影しておきました。わざわざハンドライトで照らして記念撮影したのは、私たちだけかもしれません。この時点でペースが遅くなっているのですが、だからと言って気分まで落ちないように。どんなレースでも“楽しむ”ことを忘れないのが、私のモットーです!
やがて空が明るくなってきました。歩いたり走ったり...途中で出会った通称・非常勤さんを吸収(笑)もう1人の女性ランナーが遅れ始めたので、離れすぎないように距離を確認しつつ、でも止まらないようにして進みます。と、ここでずっと一緒だったYさん。どうやら眠気がピークに達したようで、突然、まるで修学旅行中の男子かのようにこう言い出します。
「なんかさ、好きな女子のタイプ的な話でもしようよ!」
何を隠そう、Yさんも“レースは楽しむ”派。しかし既婚者3人でこの話題って、盛り上がるのでしょうか?...なんていう不安は、すぐに吹き飛びました。もう、3人でゲラゲラ笑いながら何km進んだでしょうか。話は過去の恋愛なんかにまで発展し、むしろ学生時代以上に盛り上がったような気がします。なんとなくどこかで非常勤さんは先に走り去る気がしていたのですが、結局、ずっと一緒に喋っていました。もう、眠気とか関係ありません。
しかしその裏で、私は足が限界に。何度も修復を繰り返しながら履いていたワラーチも、ヘアゴム部分がボロボロになってしまいました。そのため足底部への刺激もどんどん強まり、圧迫によるものか、指先が痺れて感覚がなくなっています。
「こりゃあダメだ」
ペースを考えても、すでに163kmの関門はほとんど不可能(5:00/km切ってギリギリ)。そうなると、次の約111km地点にあるチェックポイントでのリタイアが濃厚でした。そんなタイミングで収容車が訪れ、
「大丈夫ですか〜?」
と声をかけられます。その場は大丈夫と伝えて去って行きましたが、止まってしまえば強制的に収容されてしまうかもしれません。そのため、ここから少しずつ裸足で走るという選択を取り入れました。ちょっとゴツゴツしたアスファルトは、お世辞にも裸足で走りやすいものではありません。しかしワラーチを履いている際のプレッシャーがないため、開放的な感じがして気持ちいい。裸足で走り、たまに再びワラーチを履く。それを繰り返しながら、結局は裸足オンリーで走るというレース展開。足の裏は真っ黒になりますが、普段から“裸足ラン”を取り入れている成果なのか、足裏を怪我するようなことはありませんでした。
◼レースの終了
そして辿り着いた、約111kmのチェックポイント!この時点で、すでに19時間半も走っていたんですね。関門までは52km、走れない距離ではなかったでしょう。しかし時間は残り4時間20分を切っており、とても間に合うものではありません。『収容されるまで進んでみる』という選択肢もありましたが、無理せず、一緒に走った他ランナーとともに潔くリタイアすることにしました。その後、収容車での何ともいえない部室のような臭いは忘れられません...。
こうして、今年の『沖縄本島1周サバイバルラン』は終了。例年と比べても、暑さなどのためか序盤でのリタイアが多かったようです。結果的には49名中、わずか8名のみの完走という形でした。さすがサバイバル!でも、だからこそチャレンジする価値があると思っています。去年は80km、今年は111km...果たして来年はどうなるか。何年かかっても、必ずや完走してみせます。
レース中は多くのスタッフに支えられ、また、SNSでもたくさん応援していただきました。そして一緒に走った仲間がいたからこそ、最後まで楽しい気持ちを忘れることなく、笑顔で走れたのだと思います。心より感謝!結果は不甲斐ないものでしたが、これからも挑戦し続けますので、是非とも見守っていて頂ければ幸いです。
次は12/4(日)『湘南国際マラソン』を、いつもと違う仮装(?) で走ります。事情によりファンランですが、これまた楽しみ。ウルトラマラソンもいくつかエントリー済みですが、ここから暫くはフルマラソンに照準を絞ってトレーニングしていきます!
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