Running Writer

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“走る”フリーライター・三河の、ランニングブログです。日々のトレーニングやレースレポートなどを、ランニングを楽しむための情報を中心に発信中。仕事や家族などその他の情報は、別ブログ『いいでしょ?僕の人生』で綴っています。


ベストセラー小説『陸王』がドラマ化し、10月15日(日)ついにスタートしました。私は諸事情で観られなかったのですが、TVerが期間限定で配信してくれていたものを視聴。もちろん原作も読みましたが、まだ「読んでいない」「観ていない」という方はこちらからどうぞ。
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ざっくり言えば、老舗足袋会社がこれまで培った技術・知識を用いて、これまでにないランニングシューズを作るというもの。1話でも出てきましたが、そのコンセプトの根底には『裸足感覚』があります

一時期、大手メーカーも“ナチュラルランニング”などと銘打って多くのランニングシューズを打ち出しました。ランナーの中にはショップで見た、あるいは履いたことがあるという方も多いでしょう。実は『陸王』に登場する“ランニング足袋”も、『MUTEKI』という名ですでに存在しています。しかし、あくまでドラマはフィクションであり、直接的なモデルというわけではないようです。エンドロールでメーカー・きねや足袋株式会社の名が出ていましたが、取材協力といった形でしょうか。
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左から『はだしソックス』『ルナサンダル』『V-RUN』『MUTEKI』『Toe-Bi

少し脱線してしまいましたが、私も約4年前から“裸足ランニング”を取り入れてきた者の一人。写真のように、いわゆる裸足感覚のシューズ(履物?)を所有し使い分けています。もちろん、何も履かず裸足で走ることも。ここで「裸足ランニングとは?」的なハウツーは語りませんが、参考まで、私が裸足で走るのは大きく次のような理由です。
  • クッションに守られなくても走れる“強い脚”を手に入れるため
  • 本来持っている脚の機能を最大限に引き出すため
  • 足裏からダイレクトに受けた感覚でバランスの良い身体を作る
  • 地面から受ける衝撃を最小化して効率的かつ怪我しない走りを身に付ける
「なぜそれが実現できるの?」みたいなことは、長くなるので書きません。一部ですが過去にメディアでもお伝えしたことがあるので、気になる方はご覧ください。
しかしドラマ『陸王』を観て、ちょっと危うさを感じました。それは、どうも“裸足ランニング”に対して誤解が生じそうだな…というものです。恐らく『陸王』をキッカケに『MUTEKI』などのシューズを履いたり、裸足ランニングを始めたりする方が出てくるでしょう。しかしこの誤解が放置されると、むしろ裸足によって怪我・故障を招くケースが多発するかもしれません。そのため、今回はその誤解についてあらかじめ知ってもらいたく、ブログに綴っておきます。
もちろんその誤解は私個人が感じたことであり、他裸足ランナーな皆さんとは意見が食い違うかもしれません。むしろ裸足第一な皆さんと比べて、私はレースでシューズを履くことが少なくないなど、ちょっと違った考えを持っている可能性があります。それを前提とし、1つの見解として読み進めていただければ幸いです。

■裸足だから怪我しない・・・わけではない

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結論から言うと、『陸王』で取り上げられているランニング足袋をはじめ、「裸足あるいは裸足感覚シューズを履けば怪我せず走れる」という誤解が生じないかと懸念しています。実際、ドラマではランニング足袋が「怪我しないシューズ」という位置付けになっているようです。少し回りくどくなってしまうので、ランニング足袋のような裸足感覚シューズを履くことを含め、ここでは“裸足で走る”と一括りに述べさせてください

私の年間走行距離は、年間7,000km以上に及びます。トップ選手と比較すればそれほどではありませんが、市民ランナーの中では多い方でしょう。それでも裸足ランニングを実践して以降、接触等を原因としたものを除き怪我とは無縁です。そのため、私が裸足で走っているのを見て、周囲にも裸足ランニングを取り入れる方が増えてきました。
しかし私は、裸足で走っているから怪我しない(シューズを履いたら怪我する)わけではありません。裸足で走ることで、「怪我しない走り方・動き方を身に付けている」のです。それは、つまり地面との衝突・摩擦をできる限り抑え、脚に負担の少ない走り方。実際のところクッションを隔てないことで筋力もやや強化されていますが、それは大きな推進力やバネに繋がるものだと考えています。
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つまり「裸足なら怪我しない」のではなく、「裸足によって怪我しない走り・動きが身に付く」ということ。似ているようで、この2つは全く違います。

これまでシューズを履いて(守られて)走ってきた方がいきなり裸足になると、怪我・故障を招くことでしょう。なぜなら、私が裸足で怪我なく走れているのは、4年前からの実戦経験を経て負担の少ない走り・動きを身に付けたからこそ。初めて裸足になったとき、その脚は「ダイレクトに着地衝撃を受け止めきれる筋力を持っていない」状態であり、かつ走り方は「シューズのクッションがなければ走れないほど大きな衝撃・摩擦を受ける」ものである可能性が高いのです。その状態で裸足でもいつも通りシューズを履いているときと変わらず走ったら、脚が耐えきれず怪我・故障を起こすことは必然です。

■まずは“走らない”運動から始めましょう

もちろん、裸足ランニングを取り入れること自体は、多くのランナーにオススメします。むしろランナーに限らず、スポーツする方なら年齢性別を問わずメリットは得られるでしょう。裸足からは、あらゆる動きに繋がる“気付き”と“改善”が秘められています。 
だからこそ、裸足によるメリットを得られるよう、まずは“走らない”運動からスタートしてください。具体的にはウォーキング、ランニングドリルなど。私は指導先の中学校で裸足ランニングを取り入れていますが、あくまでメイン練習はシューズ着用。ウォーミングアップとドリルのみ裸足で行っています。ちゃんと続けている生徒はバランスの良く効率的なランニングフォームを獲得し、走りに力強さを感じるようになりました。
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パーソナルレッスンでも裸足を推奨・実践していますが、同様に動きの確認などに留まります。特に裸足ランニングは“どうすれば裸足でも走れる動きが身に付くか”が大切なので、実践者が身近に入ればアドバイスを受けると良いでしょう。誰もいないという方は、ぜひWILD MOVEへご連絡ください(宣伝失礼!)。

人間の身体は、私たちが思っている以上に凄まじい機能を秘めています。シューズなど機能性のあるギアはそれをさらに高める反面、使いすぎると頼り切ってしまい、かえって身体の方が弱くなってしまうといのが私の考えです。裸足になることで身体本来の機能を引き出し、正しい走り・動きを身に付ける。そのうえでシューズ等を“使いこなす”ことでこそ、最高の走りができるのではないでしょうか。そうすれば、もっと走ることが楽しくなるはずです。

こうした考えは、私の生徒やレッスン受講者なら何度も耳にしたことと思います。しかし先日、取材を通じて出会った裸足実践者のお話を伺い、さらに確信が深まりました。そのお話は、WEBメディア『MELOS』で後日公開されますのでお楽しみに。裸足によるメリットをしっかり享受するためにも、誤解なく読み解き、実践していただければ幸いです。
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